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「電気代が高すぎる家」には共通点が。一級建築士が伝えたい“業界でも一部しか知られていない”事実

大手住宅メーカーが作り出す「エアコンなどに頼り切った家」

大手住宅メーカーなどでは、家の「高気密高断熱性」を重視しているのにもかかわらず、パッシブデザインを取り入れずにエアコンなどに頼り切った家もあるぐらいです。 一般の方は、そういった事実関係を知らずに、「高気密高断熱の家なら光熱費を押さえることが出来るのだろう」ぐらいの認識で、家を購入する場合がほとんどです。 「パッシブデザイン」は、住宅業界でも一部の人しか認識していません。これからの家づくりに取り入れるには、一般の方が周知したうえで、要望としてきっちり伝えていくことが重要です。  また、「家の設計をするにあたって、年間どれくらいの光熱費がかかる家なのかのシミュレーションも出してください」と依頼したいところです。パッシブデザインなら、通常の家の光熱費よりも格段に押さえることが可能になりますから、 “光熱費地獄”に陥らない為にも忘れず頼むようにしましょう。

光熱費が「毎月2万円」だと思って住宅ローンを組んだら…

幸せを形にするために建てた家が元で、逆にどんどん不幸になる人が増えているーー。こんな恐ろしい現状が実際に起こっていて、特にこの数年顕著です。なぜ、そのようなことが起こるかというと、その原因はやはり「光熱費の高騰」にあります。 実はこの光熱費が高騰したことで家計が圧迫されて住宅ローンを払うのが厳しくなる「住宅ローン破産予備軍」が増えています。 家を手に入れる場合、多くの人が住宅ローンを組みますよね。 「毎月の支払いが12万円。これだと、食費をもう少し削っていかないと難しい。どうにか11万円に納まる予算で家を手に入れよう」 しかし、光熱費の支払いが当初は毎月2万円程度だったはずが、この数年で3~4万円ほどに高騰しています。 「住宅ローンの月1万円をどうやって浮かせようか?」と考えていたのに、あれこれ削って1万円下げたところで、1~2万円上がった光熱費が、家計を圧迫しているのです。
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節約のため、エアコンをつけずに我慢ずる家庭が増加?
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1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中

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