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「電気代が高すぎる家」には共通点が。一級建築士が伝えたい“業界でも一部しか知られていない”事実

節約のため、エアコンをつけずに我慢ずる家庭が増加?

2024年3月現在、今の日本は「コストプッシュ型インフレ」と言われています。給与は上がらないのに、物価だけ上昇する現象のことですが、この状況がいつまで続くか誰も正確に予想できません。 なかには「省エネ対策」に励む人の姿も。一番身近な省エネ対策は「我慢する」こと。 夏の暑い時や、冬の寒い時でも、エアコンをつけずに過ごす家庭が増えていると聞きます。実はそういった無理をかさねることで、体調を崩して、逆に医療費によって出費が増える状況が生まれています。 耐え忍んでいるのに、出費が増えてしまっては本末転倒ですよね。私は今から10年ぐらい前から、「住宅ローンのシミュレーションをするときは、『必ず光熱費が年3~5%ほど高騰していくこと』を盛り込むようファイナンシャルプランナーに伝えてください」とお願いしていました。 エネルギーの世界情勢からみると、必ず物価とともに上昇することが目に見えていたのが、その理由です。とはいえ、ファイナンシャルプランナーからしても、光熱費などがここまで上がると予想していなかったのだとは思います。 現状のままでは止まりませんし、これからも必ず上昇していくでしょう。もし、光熱費の高騰分が住宅ローンのシミュレーションに入っていなかったら、「毎年3~5%の上昇分を組み込んでください」と伝えてみましょう。そうすれば、数年後に苦しい思いをしなくて済むことになるはずです。 住まいがあなたや家族を不幸に陥れるのではなく、幸せにする場所になることを心から祈っています。 <TEXT/一級建築士 八納啓創>
1970年、神戸市生まれ。一級建築士、株式会社G proportion アーキテクツ代表取締役。「地球と人にやさしい建築を世界に」をテーマに、デザイン性、機能性、省エネ性や空間が人に与える心理的影響をまとめた空間心理学を組み込みながら設計活動を行っている。これまで120件の家や幼保園、福祉施設などの設計に携わってきた。クライアントには、上場会社の経営者やベストセラー作家をはじめ「住む人が幸せになる家」のコンセプトに共感する人が集い、全国で家づくりを展開中
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