仕事

“期待の新入社員”の呆れた退職理由。職場の評価が“ひどい新人”に変わるまで

言動はエスカレート。徐々に浮いた存在に

エンジニア その言動はさらにエスカレート。朝の4時に出社して無人警備システムの警報を鳴らすこともあったとか……。Bは身勝手な行動を繰り返すうちに、会社のなかでも居場所がなくなり、ついには同期からも見放され浮いた存在になっていったという。  そんなBが先輩になった頃、次年度の新人内定も決まり懇親会が催された。一次会を終えて、各々二次会に流れていくなかで、Bはひとり先輩風を吹かせて内定者全員を二次会に連れて行った。 「私は参加しなかったので、その場がどんな状況だったかはわかりません。ただ、Bが辞表を出したのは、それから少し経ってからのことでした」

退職理由も規格外「医者になるから辞める」

 退職理由は“医学部に入り直して医者を目指すから”だった。 「おそらく医者になるというのは、彼のやりたいことではなく、会社を辞めても恥ずかしくない大義名分がほしかっただけなのは明白でした。上司や先輩に楯突いていたのも、無意味なプライドの高さからくる自分の非を認められない一面の表れだったのだと思います」  退職した本当の理由は定かではないが、「会社で孤立していたので、精神的にも辛かったんだと思います」と加藤さんは想像した。 「彼が医者になれていればいいのですが……」 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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