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マックとモスで分かれた明暗。ポイントは「400円の壁」と「原価率」――大反響・総合トップ10

「原価率を改善」するとしているが…

 モスバーガーは、生野菜をすべて国産にするなど、仕入へのこだわりを徹底してきました。それが安心安全、ヘルシーというブランド構築に一役買っていたのです。商品価格が高いのは間違いありませんが、それだけ消費者に還元もしていました。
マクドナルド

beeboys – stock.adobe.com

 その一方で、マクドナルドは徹底的に効率化を図っています。マクドナルドのサプライチェーンマネジメントは世界最高水準にあり、食材の仕入先は250カ所。およそ3000店舗に過不足なく、安定的に供給するという徹底した供給網を築きました。基本的に取り扱う量(買い付ける量)が多いと、価格交渉力が強くなります。巨大な店舗網を築き、それを完璧とも言えるまでにマネジメントすることで、原価率を抑え込んでいます。  マクドナルドは原価率が低いため、急速な原材料高に見舞われても、ショックを吸収する余地があります。急速な物価高に見舞われた2022年12月期においても、営業利益率が前期比2.1%のマイナスで済んだ理由に、原価率の低さと巧みな値上げが挙げられます。  モスバーガーは2023年度において、価格改定で原価率を改善すると説明しています。更なる物価高が進むと、追加の値上げが視野に入ります。それが客数にどれだけ影響するのかが、一番のポイントとなるでしょう。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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