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「女の子だから」父に褒めてもらえず…“困難な環境”で育った女性画家が強い劣等感を克服するまで

誰かの痛みに寄り添えるような絵が描きたい

 闇の中にも光はきっとある、心の傷は力に変えられる。そう大河原氏は語る。 「だから、もしも孤独や心の傷を抱えている人がいるとしたら、『絵や創作は、あなたに寄り添ってくれるよ』と私は伝えたい。そして、誰かの痛みに寄り添えるような絵が描けたらーーそんな思いで今は絵を描いてます」  より大きな悲しみやわかりやすい不幸の前では、日常の些細な傷など、ないも同然で時間は過ぎる。心に微小な切り傷を抱えた人たちは、社会の鈍感さよりもまず自らの繊細さを嘆くだろう。弱者は、強者の理論で自転するこの世界から振り落とされずにいるだけで、精一杯だ。  どんな作品にも、芸術家たちが紡ぎ出す細く淡い神経の一本一本が通う。強くもなく、大きな声を発するわけでもない、不器用にしか生きられない仲間たちのために、今日も大河原氏の芸術は佇む。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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【告知】
展示タイトル:大河原愛展「静けさの内に留まる羊は、いかにして温もりを手に入れたか II」
会期:2024 年 6 月1日(土) 〜 6 月 20 日 (木)
時間:10 : 30 ~21 : 00(最終日は17時まで)
会場:銀座 蔦屋書店 アートスクエア
所在地:東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6F
お問合わせ先:ギャラリーNODA CONTEMPORARY TEL:052-249-3155
展示詳細ページ
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