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元プラスマイナス・岩橋氏が語る“松本人志の凄さ”「ダウンタウンさんは異質やった」

デビューから40年以上を経ても、数多くのレギュラー番組を抱え、多くの芸人から神聖視されていた芸人・松本人志。お笑い業界だけでなく、テレビを支配し、芸能界の頂点を極めたと言っても過言ではない存在感を示していた。尼崎の貧困家庭で育った内向的な少年が、お笑い界の「現人神(あらひとがみ)」となることができた理由はなんなのか。そして松本人志が「天才」と評価される理由はどこにあるのか。ダウンタウンの笑いの「革新性」とはなんだったのかーー。 ダウンタウンに憧れ芸人になった岩橋良昌は、兼光タカシとのコンビ「プラス・マイナス」で上方漫才大賞を獲得するなど賞レースで輝かしい成績を残し、卓越した腕を持つ漫才師になった。ダウンタウンの二人とは番組共演も果たし、松本が企画する『ドキュメンタル』にも出演している。そんな岩橋は、ダウンタウンは自分にとって“破壊神”だと力説する。その理由とは。 (本記事は『松本人志は日本の笑いをどう変えたのか』(宝島社)より、一部抜粋したものです)
 岩橋良昌氏

岩橋良昌氏 ©産経新聞

「話芸の天才」には共通した要素が

僕は破壊が好きなんです。松本さんのトークからは破壊を感じるんです。話芸の天才と言えば、上沼恵美子さんや島田紳助さんもいらっしゃる。トークには、振り方、伝え方、オチなどいろいろな要素が散りばめられていて、持って生まれた才能に加え、設計力みたいなものが問われると思います。 漫才も似たようなところがあって、起承転結が必要です。しゃべくりだからって、ずっとワーワー話していればいいってわけじゃなく、「はい、どうも~」から「もう、ええわ!」まで流れがあります。その台本に沿って漫才をしてしまうと発表会みたいになってしまうから、人となりが問われるんです。 それって、テンションや話し方などいろいろな要素があると思うんですけど、僕は割と自由に暴れてきた。言わば、理性と野性がうまいことごっちゃになるのが理想的だと思うんですけど、松本さんのトークって、この二つがものすごい次元で融合しているなって思うんです。漫才じゃなくて、平場のトークでこれができるって信じられません。

「動物的な笑い」を面白がってくれた理由

松本さんのトークは、ものすごく設計しながら、突然終わりを迎えるようなロジック無視の破壊がある。とんでもないボケの一言を放り込んで破壊する。トークって、その人の才能だと思うんです。しゃべり方、テンポ、言い回しとか、その人の才能で笑かしている。そこに破壊の要素がある気がして、僕は勝手に感動しています。 ダウンタウンのお二人は、タブーに手を出すようなヒリヒリしたトークを展開される。大物芸能人にも臆することなく突っ込んでいく。どうなるかわからないところにハンドルを切ってしまう野性的な感覚というか。だから、僕の動物的な笑いも面白がってくれたのではないかと思うんです。 破壊に魅せられてしまった僕からすれば、やっぱり今のコンプライアンス重視の世の中は、ちょっと息苦しさを感じます。動物みたいな僕に、あれもダメ、これもダメって課せられると、自分勝手で申し訳ないと思うんですけど、しんどいです。
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世の中の流れはわかるけど「残念だし悲しい」
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松本人志は日本の笑いをどう変えたのか 松本人志は日本の笑いをどう変えたのか

テレビマン、評論家、芸人
8人の論客が忖度なしに論じる

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