更新日:2024年06月07日 09:31
スポーツ

2001夏甲子園優勝投手、4度の手術と波乱万丈の野球人生。「失敗への対策の引き出しを持つことが重要」

日々のルーティンがメンタル維持に役立った

松本:メンタル不調があればスポーツ選手として思うような結果を残すことは難しいですよね。近藤さんはどのようにメンタルコントロールをしていたのですか? 近藤:ある時、トレーナーから「優秀な消防士の話」を教えてもらったんです。優秀な消防士さんは、毎日同じ動作を繰り返すそうです。その理由は、同じ動作をすれば、調子が良くないときに「今日はいつもと違う」と気づけるから。  この話を聞いて、さっそく自分の日常生活にもルーティンを取り入れました。同じことの繰り返しはやはり飽きますが、不調などの違和感を覚えて修正するというトレーニングができたことは良い結果でしたね。  こうやってルーティンをつくることは、メンタル維持にも役立ったと思います。  毎日ルーティンをキープすることによる安心感がありました。ナイターがあったり、デイゲームがあったりと起きる時間が毎日違いましたが、体の動かし方を同じにすることで、自分を安心させていましたね。

失敗に備えることの大切さ。失敗への対策の引き出しを持つ

松本:プロスポーツ選手として活躍する以上、どんなに偉大な選手でも常勝ではいられません。近藤さんは失敗についてどんな考えをもっていますか? 近藤:失敗はつきものです。成功している人の共通点は、失敗に備えていることだと思います。失敗に備えるとは、「引き出しを持っておくこと」。何か普通ではない事態が起こったときにどうするか、どう対応するかという「回路」を持っておく。それができる人は、どんな事態でも平常心をキープして成果を出せるのではないでしょうか。  打たれるかもしれない。ストライクが取れないかもしれない。そうした事態を前もって予測しておき、それぞれについての引き出し、つまり対応法を持っておけば、次の手をフラットに考えることができますよね。失敗は怖いけれど、綿密に準備しておけば結果は変わってくるでしょう。何事も準備が大事だと思います。 松本:私も同感です。プロ野球投手が「打たれるかもしれない」「ストライクが取れないかもしれない」と考えておくのと同様に、ビジネスパーソンも「売上が思うように伸びないかもしれない」「社員が急に退職してしまうかもしれない」と仮説を立て続け、その引き出しを準備しておくことは重要ですからね。
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応用には基礎の習得が必須
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ライフマネジメント株式会社代表取締役。1976年、神奈川県相模原市生まれ。高校時代は日大三高の主力選手として甲子園に出場。東京六大学野球に憧れ法政大学へ進学。大学卒業後、住宅業界を経て起業。「地主の参謀」として資産防衛コンサルティングに従事し、この10年で数々の実績を生み出している。また、最年少ながらコンサルタント名鑑『日本の専門コンサルタント50』で紹介されるなど、プロが認める今業界注目の逸材。 ラジオ大阪OBC(FM91.9 AM1314)にて、毎週水曜日19:45~20:00「松本隆宏の参謀チャンネル®︎」を放送中。 著書に、『地主の参謀―金融機関では教えてくれない資産の守り方』(2018年、エベレスト出版)、『アスリート人材』(2022年、マネジメント社)、『地主の決断―これからの時代を生き抜く実践知』(2023年、サンライズパブリッシング)、『地主の真実―これからの時代を生き抜く実践知』(2023年、マネジメント社)、『プロたちのターニングポイント』(2024年、サンライズパブリッシング)、 『アスリート人材の底力 折れない自分のつくり方』(2024年、サンライズパブリッシング)がある。

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