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“大洋ホエールズファン”の少年が、最大400人の応援団を結成するまで「1人で一喜一憂するのは寂しい」

新橋勤務、千葉在住ではハマスタが遠すぎた

一方の小島さんは大学、社会人となって新卒で今の会社に入社して以降、20代半ばから静岡、名古屋、大阪と仕事による転勤が増えてきた。この時期は野球の応援とは一線を画していた。 野球応援に再び熱が入り出したのは、40歳からだった。 「当時はSNSを通じて、ベイスターズの応援をする会に入っていたのですが、そこには会員が8000人くらいいる大所帯のグループに入っていたんです。けれども、このとき私の職場は新橋にありましたから、横浜スタジアムでナイトゲームが開催される日際には、仕事が終わってからでは間に合いません。 それに当時は自宅が千葉にあったということで、試合が終わってから帰宅すると、深夜になってしまう。『これでは体がもたないな』ということで、新橋駅付近界隈にある『三冠王』という居酒屋に、仲間10数人と集まって、お酒を飲んでワイワイしながらベイスターズの試合を観戦する、ということをしていました」

離婚を経て、関内に引っ越すことに

その後、アレックス・ラミレス監督が就任した2016年シーズン途中に、現在のワクワク団を結成。初めてベイスターズがクライマックスシリーズ(以下CS)に進出したこの年は、ファーストステージで巨人を破り、ファイナルステージに進出。迎え撃つ広島には1勝4敗で敗れたものの、新橋のカラオケ屋で30人近くのメンバーと応援していた。 「最大400人のメンバーがいたのですが、コロナ禍で応援が自粛されたのと、メンバーの高齢化が進んだ影響で、現在は半数の220人くらいまで減りました」 2017年にはシーズン成績が3位ながら、クライマックスシリーズのファーストステージでは2位だった阪神を撃破。ファイナルステージでも広島を4勝2敗で破って日本シリーズに進出し、ワクワク団の応援はいっそう盛り上がった。 「ちょうどこの頃、私生活で離婚をしたこともあって、千葉からベイスターズの本拠地に近い関内に引っ越しをしたんです。ベイスターズの応援にますます力が入っていきました」
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各自バラバラで応援する“応援団”。その理由は?
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スポーツジャーナリスト。高校野球やプロ野球を中心とした取材が多い。雑誌や書籍のほか、「文春オンライン」など多数のネットメディアでも執筆。著書に『コロナに翻弄された甲子園』(双葉社)
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