スポーツ

“大洋ホエールズファン”の少年が、最大400人の応援団を結成するまで「1人で一喜一憂するのは寂しい」

各自バラバラで応援する“応援団”。その理由は?

ワクワク団では、横浜スタジアムで開催されるチケットは「各自で確保して、バラバラで応援する」ということをルールにしている。 「さすがに本拠地で開催される試合をすべて見に行くというのは難しいですし、見たい席の場所もそれぞれ好みがありますから、チケットは各自で確保するというスタイルを取っています。ちなみに私が横浜スタジアムで観戦するときには、2019年シーズンからライト側スタンドに新設された『ウイング席』を選んでいます」 定員500人のこの席は、ゆとりがあって広々としている。低い位置からは「外野寄りの内野席」、または「外野席」と同じ感覚で楽しめ、高い位置からはこの席ならではの眺望も満喫できるのが魅力だと、小島さんは話す。 そうして試合が終わると、横浜スタジアムのライトスタンド側にある噴水の近くにメンバーが集結。その後はスタジアムからほど近い「Baseball居酒屋 まるは」で、その日の試合内容について、メンバー全員で語り合うのがルーティンとなっている。 「店内には巨大モニターがあって、その日に行われたベイスターズの試合が流れるんです。得点シーンや失点したシーンを見ては、みんなで盛り上がるのもまた楽しいのです。ときには野村弘樹さんなどの元ベイスターズOBが来てトークショーもあったりと、不定期でイベントを開催したりもするんです」

1人で一喜一憂するのは「寂しい」と思った

DBワクワク団

忘年会で欲しかったグッズをゲット!

さらにこのお店で忘年会を開催しているのだが、このときある「イベント」を企画していると話す小島さん。 「不要になったベイスターズグッズのプレゼント会を行っているんです。たとえば3連戦限定で配布されるユニフォームを、3試合すべてに行って3枚もらったとします。すると、『2枚は必要だけど、1枚はいらないな』となったときに、忘年会のときに持って来ていただいて、そこで参加しているメンバーで『欲しい』という人がいたらプレゼントをする。ときにはじゃんけんになったりもしますが、必ず誰かがなにかしらのグッズはゲットできるシステムになっているので、非常に盛り上がるんですよ」 小島さんがワクワク団を結成して以降、コンセプトに掲げていることがある。「点と点をつなげるプロジェクト」というコンセプトだ。 「私も経験したので理解できるのですが、野球応援している人って、基本1人ぼっちが多いんですよ。勝った負けたを1人で一喜一憂する。これって寂しいことだなって思ったんです。そこで『ワクワク団』を結成して、みんなでベイスターズの試合を共有しながら語り合っていく。そうした輪をつなげていって、これから先もベイスターズの応援を盛り上げていきたいですね」
次のページ
応援団のなかに、別の趣味を楽しむサークル活動も
1
2
3
4
スポーツジャーナリスト。高校野球やプロ野球を中心とした取材が多い。雑誌や書籍のほか、「文春オンライン」など多数のネットメディアでも執筆。著書に『コロナに翻弄された甲子園』(双葉社)
記事一覧へ
おすすめ記事