更新日:2024年08月08日 13:37
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激辛スナック“利益よりも辛さ”にこだわる理由「激辛好きの人たちを置き去りにできない」

利益優先なら「辛すぎる」お菓子は作らない

 年に2回ほど発売と終売を繰り返すということは、それだけ商品開発やパッケージデザインの手間、そして費用もかかるということ。つまり、『激辛マニア』シリーズは、かなり儲かっているということなのだろうか。 藤本さん:一定の需要があることは間違いないですが、利益優先なら『激辛マニア』シリーズのような辛すぎるスナックは作っていません。激辛好きの人も増えてはいますが、本当の激辛好き市場は割とニッチなんです。 ――なるほど。パッケージはかなり辛そうに見えても、実際に食べてみるとそれほど辛くない、チョイ辛好きの私でも楽しめるお菓子が多いのは、そういう理由だったのですね。でも、それならどうして、『激辛マニア』シリーズを作り続けるのですか? 藤本さん:本当の激辛好きの人たちを世の中に置き去りにしてしまうことになるんですよね。そういった人たちがお菓子からどんどん離れてしまうのは、お菓子を作るメーカーとして悲しいことです。 ――だから、激辛スナックを作り続けているのですね。 藤本さん:社内では、「まだ辛いスナックを作り続けるのか」「もう、いいのではないか」という声が上がることもありますが、お客様からの激辛マニアの発売を心待ちにしているお声や応援のお声に応えるため、作り続けていこうと思っています。それを許してくれる会社だからチャレンジできるというのもありますよ。また、お客様への配慮としても、辛い商品だとわかることや、注意してほしいことなどをわかりやすく記載するようにしています。

6月に発売された新商品は2種類

 2024年6月24日には、『激辛マニア』シリーズから『赤赤とうがらし味』が発売されている。そして今回は、バニラアイスで辛さをやわらげながら商品開発に携わったメンバーもいたようだ。 参考:ジャパンフリトレー株式会社HP 商品情報「激辛マニア 赤赤とうがらし味」 藤本さん:今回の『激辛マニア 赤赤とうがらし味』も、旨味にフォーカスしています。その先味の旨味と地獄が伝えられるように、裏面の商品説明では童話をイメージし「旨味に惑わされて入ったその先は激辛の森」というストーリーを連想。森の入り口にある看板に描かれた文字をテーマに、パッケージ裏のキャッチコピーを作りました。 ――深い……! 藤本さん:毎回、パッケージを見てくれた人が「これ、何やっちゃってんの?」と、なんとなくクスっと笑ってくれることを意識して大真面目に取り組んでいます。  今回は、辛味スパイスが唐辛子の形に浮き上がる斬新なデザインになっている『激辛マニア 赤赤とうがらし味』、さっそく試食してみたが、辛くて1本でギブアップ。そのあと30分ぐらい置いて食べたパスタも激辛に感じられるという悪夢に襲われた…。 ※この商品は大変辛いので、辛い物が苦手な方や小さいお子様は十分にご注意ください。 <取材・文/山内良子>
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意
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