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夏場になると「孤独死現場の依頼が増える」理由とは?特殊清掃人が語る壮絶な仕事

遺品整理をして「病みそうになったことも」

 孤独死が起こった時の流れとしては、まず遺体が引き上げられ、警察の現場検証が始まる。その後、立ち入りの許可が出たら特殊清掃業者が入る。しかし、腐乱死体の後始末をする業務によって従業員の精神に悪い影響はないのだろうか。 「うちの従業員でいうと、精神が不安定になった人はいないですね。基本、求人はYouTubeを見て応募してきてくれる人が多いので、覚悟ができているというか。10年くらい前は特殊清掃業者が浸透していなく、孤独死が起きた家って、誰に何を頼んで清掃してもらえばいいかがわからなかったと思うんですよ。なので、街の便利屋やハウスクリーニング業者や内装リフォーム屋にお願いしていたのです。本当はやりたくないですが、泣く泣く請け負っていたようです。  いつもはビルの掃除とかをしていた業者の方々が、突然、腐乱死体現場を清掃させられる。そういうパターンでは精神的におかしくなった人はいたのではないかと思います。人型に染み込んだ体液の処理やこびりついた髪の毛の処理、強烈なニオイ……病んでしまう人がいるのは想像できます。僕も遺品整理をしていて、亡くなられた方の生活と自分の生活を重ね合わせてしまい、病みそうになったことは何度もあります」

どうして特殊清掃でニオイが取れるのか?

特殊清掃の現場

清掃後、すっかりきれいになった特殊清掃の現場(ブルークリーン画像提供)

 床に染みついた人型のシミなどは建物の構造によってはかなり清掃しにくい場合があるという。 「腐乱場所の掃除の仕方でいうと、まず体液があった場所を掃除して洗浄をかけてキレイにするんですけど、それでもニオイが取れなかったりすると部分的な解体工事をするんですよ。例えば、フローリングをマルノコやノコギリを使って解体するのですが、フローリングを取るとベニヤ板の下地が出てくるのが定番なんです。でも、そこがコンクリートだった場合はかなり面倒臭いです。まず表面を綺麗にして、そのあと上から消臭をして、さらに塗装して油膜で密封する。  私たちは専門の薬品を使用して臭いの元から物理的な除去を行うことができるのですが、業社によっては対処療法のように表面の消臭のみを行うんです。なので、いまでもコンクリート打ちっぱなしの物件などは、コンクリートに体液が染みついたままの物件はあるのではないかと推測します」
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背筋が凍るほどの凄まじい現場
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(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦
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