更新日:2024年08月02日 19:46
ライフ

“厳格な家で育った女性”が顔に刺青を入れた理由。「妖精に近づくため」身体改造も

術後の写真をあえてSNSで公開した意図

なつお

今ほど刺青を入れる前のなつおさん

 耳を尖らせるためには、一度切開して縫い合わせる必要がある。自らのSNSで術後写真を公開したところ、さまざまな声が寄せられたという。 「『可愛い』という肯定的な声から、『そんなグロテスクなものを載せるな』というお叱りまで、たくさんのご意見をいただきました。私は美容整形や身体改造をどんな場面においても肯定したいわけではないし、まして目立ちたいわけでもないんです」  なつおさんが赤裸々に自らの変身の過程を公開したのには、こんな意図がある。 「もしも何らかの理由で現状の自分に満足できない人がいたとして、見た目を変えることによって内面が充実するのだとしたら、『いつでもなりたい自分に変身できる』という選択肢があることは、幾ばくかの心の余裕になると思うんです。私のような人間の存在が、思い留まる場合であっても背中を押す場合であっても、参考になればいいなとは思います」

男女ともに交際経験がある

 人間とは次元を異にする妖精に焦がれたなつおさんは、恋愛においても男女を隔てない。 「好きになるとき、性別はあまり考えません。これまで男性とも女性ともお付き合いしたことがあります。高校時代から専門学校時代は、女性と交際していましたね。美容系の専門学校に通っていたので女子生徒が圧倒的に多く、当時のパートナー(女性)に悪いので交友関係にはとても気を使いました。それがもとでだんだん専門学校へも足が遠のいて、中退してしまうのですが」  愛ゆえの嫉妬。恋愛における普遍的な悩みを経験していると知ると、その神秘的な容姿ががぜん親近感を帯びる。くわえて、こんな生活感も顔をのぞかせる。 「専門学校以降は独り暮しをしていたので、刺青を彫ったり美容整形をしたりで出費も多く、生計を立てるのは割とたいへんでした。主な収入はBar店員で、たまに刺青モデルとしての収入もありました。長時間働いてるのでいつも疲れていて、両親からも『なんでそんな疲れてるんだ』とか心配されたりして(笑)」
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35歳くらいまでに“完成形”に近づけたい
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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