エンタメ

永野芽郁が“まだ24歳”で驚いた。腰の座った演技は「ベテランの域に達している」

「ちゅんちゅん」から「キュンキュン」へ

『PARKS パークス』の有機的な画面にしろ、官能の空間を突出させた『ひるなかの流星』にしろ、いずれもフランス映画的な瞬間を感覚的にすくい上げている。ブレイク前夜の永野は、そうして日本映画界に瑞々しい足跡をつけた。 『ひるなか流星』ですずめのあだ名となった「ちゅんちゅん」呼びが、永野にとって決定的な響きになったことが再確認出来たのが、主演最新作『からかい上手の高木さん』である。『ひるなかの流星』では三浦翔平演じる担任から「ちゅんちゅん」と呼ばれていたものが、『からかい上手の高木さん』では近い響きの「キュンキュン」を永野自ら発することになるからだ。 中学生時代を過ごした島に教育実習生として里帰りした高木さん(永野芽郁)が、中学教師・西片(高橋文哉)と再会し、同級生の結婚式帰りに海辺を歩く場面。並んで歩くツーショットをカメラが正面から長回しで捉える。西片は高木さんに付き合ってる相手がいるのかどうかと考えている。高木さんは中学生時代から西片に気がある。でも西片は気づいていない。西片の気持ちを察してか、高木さんが「ドキドキ、キュンキュン」と歌う。「ちゅんちゅん」からこの「キュンキュン」へ響きが変わる瞬間、軽やかな才人ぶりを垣間見た。この響きの先、永野芽郁の可憐な姿が、ずっと思い浮かぶのだから。 <TEXT/加賀谷健>
コラムニスト・音楽企画プロデューサー。クラシック音楽を専門とするプロダクションでR&B部門を立ち上げ、企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆。最近では解説番組出演の他、ドラマの脚本を書いている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ