恋愛・結婚

「セックスレス」と「妻の不倫」、離婚の原因で多いのは…「家庭内別居」の38歳男性会社員の実体験

「悪いことをしたつもりはない」と頑なに主張

このように光輝さんは妻の脇の甘さがきっかけで、思わぬ形で「妻の不倫」を知ることになったのですが、「あの後、約束していた男がやってきたのか」「いつから付き合っているんだ」「僕の求めに応じないで別の男と!」ーー光輝さんは何十回も同じ自問自答を繰り返して頭がおかしくなりそうでした。どうしても真相を確かめたいのですが、妻が会ってくれる保証はないので、「離婚届を渡すよ」と伝えました。そしてルノアールの個室を予約し、そこに呼び出したのです。 そして妻は席に着くなり、「前にも言ったけれど、私たち、夫婦として終わっているから。光ちゃんが何て言おうとやり直すつもりはないから、早く離婚届をください」と畳みかけてきました。そのため、光輝さんはテーブルに置いた離婚届をいったん引っ込めた上で「いつからなんだ。離婚の話をする前からなのか?」と尋ねました。 そうすると妻は「まさか!」と首を振りながら、「私は悪いことをしたつもりはないし、光輝に後ろめたいと思っていないよ」と言い切ったとのこと。そして「言っておくけれど、彼とは浮気じゃない、私、本気だから!」と続けました。 妻が口にするのは自分の気持ちばかり。「妻の裏切り」を知ってしまい、ショックを受けている光輝さんを気遣う言葉はありませんでした。

「破綻する前」に交際を始めた場合は…

そこで光輝さんは「話は分かった。でも、ちょっと身勝手すぎないか。離婚してから付き合うのがルールだろ?」と切り返しました。しかし、妻は「いつまでも光ちゃんとのことを引きずりたくないの。離婚してから探すんじゃ、一人の時間が寂しいでしょ?(離婚)届けを出したら、すぐに彼と一緒になるつもりだから。」と圧力を強めてきたので、光輝さんはつい強い言葉で言い返してしまいました。「僕はお前のやっていることは不倫だって言いたいの!今さら別れろなんて言わないよ。でもルールを破ったなら、それなりの報いが必要だろ……慰謝料とか!」と。 しかし、妻は光輝さんの言葉を一笑に付す感じで「はいはい、そうきましたか…言っておくけれど、彼とは浮気じゃない、本気だから!」と言い返してきたそうです。 妻の言う通り、不倫をしたのが婚姻関係の破綻した後なら慰謝料の対象になりません。しかし、離婚を切り出すと同時に破綻するのでしょうか? 裁判所の見解では破綻の有無に影響を与えるのは別居期間です。具体的には少なくとも6年は必要です。(東京高裁・平成14年6月26日判決)もちろん、破綻を認定するのに必要な要件は別居期間だけではありませんが、妻が相手の男性と付き合い始めたとき、光輝さんと妻はまだ別居していなかったので、当時、婚姻関係は破綻していませんでした。破綻する前に交際を始めたのだから、それは不倫です。そして慰謝料の対象になります。
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結局、慰謝料を払わせることに成功したが…
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1980年生まれ。国学院大学卒。行政書士・FP。男の離婚に特化し開業。6年目で相談7千件、「離婚サポートnet」会員は6千人を突破。「ノンストップ」(フジテレビ)、「ホンマでっかTV」(フジテレビ)、「市民のミカタ」などに出演。著書は「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷)など11冊。 公式サイト X:@yukihiko55 ブログ:法律でメシを食う若造のブログ Facebook:yukihiko.tsuyuki
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