更新日:2024年12月20日 11:58
お金

日本の評価を落とす「薄っぺらい商売」…観光地で「日本人が食べたことがないメニュー」を提供する歪さ

日本の価値を下げる「浅はかなインバウンドビジネス」

「せっかく日本に来たのだから」というお客さんの動機に寄り添うことをせず、「売れるから」というだけで日本人が食べたこともないものを提供する点に、いまのインバウンドビジネスの薄っぺらさを感じずにはいられません。  前出の豊洲千客万来と築地場外市場、黒門市場と錦市場。なぜお客さんの笑顔に差が生まれてしまうのか。例えば築地場外市場には古くからやっている老舗の寿司店や惣菜店があります。そういうところは昔から変わらない本質的なビジネスでインバウンドに向き合っています。  錦市場は近くに祇園や四条河原町などがあり、エリア全体が観光地になっています。錦市場はその中の“ワンシーン”であり、お客さんにとってのウェイトは小さいのかもしれません。お祭り感覚で錦市場の屋台グルメを味わい、昼食や夕食は別のところですませているというケースもあり、それで差別化ができているのでしょう。  自分たちはどんな環境でどんなビジネスでお客さんのニーズを満たしているのか、もっとしっかりと考えて取り組む必要があります。浅はかなインバウンドビジネスでは、かえって海外での日本の評価を落としてしまいかねないと危惧しています。 <TEXT/永田ラッパ>
1993年創業の外食産業専門コンサルタント会社:株式会社ブグラーマネージメント代表取締役。これまで19か国延べ11,000店舗のコンサルタント実績。外食産業YouTube『永田ラッパ〜食事を楽しく幸せに〜』も好評配信中。
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