更新日:2024年09月05日 12:05
お金

“町の喫茶店”が減少の一途をたどる中、スタバ・コメダ・ドトールの「大手3チェーン」が店舗拡大を続けるワケ

パンも原則、自社製造

コメダ珈琲

コメダ珈琲の看板

 コメダ珈琲店の業績は売上432億円、営業利益87億円、営業利益率20.2%(2024年2月期)の高収益状況で、自己資本比率も41.9%と財務も安定している。今年度(2025年2月期)に入っても売上(FC向け卸売売上)3月115.4%→4月112.8%→ 5月100.4%→6月117.8%→7月102.1%と順調に前年を上回っている。  モーニングメニューやランチメニューなどフードメニューの充実さも話題であり、郊外型店の週末は常に朝から駐車場は満車状態である。パンも原則、自社製造だ。コメダ珈琲店は、お店が自宅のリビングルームの延長線上のように元気や英気を養い誰もがくつろげる「街のリビングルーム」を目的に運営されている。  だから、単に体を休めるだけでなく、心まで安らげる、くつろぎの提供に向け、おいしさ・おもてなし・居心地に、徹底的にこだわった店であり、それらが圧倒的な集客力になっているようだ。

スターバックス:直営方式にこだわる

スターバックス

スターバックス

 アメリカ発祥のコーヒーチェーンで、日本法人は1995年10月に設立され、来年で30周年を迎えるスターバックスコーヒージャパン株式会社。1996年8月、東京・銀座に日本1号店をオープンしてから、現在(2024年6月時点)は総店舗数1948店舗(ライセンス店舗は64店舗)のセルフ型の巨大喫茶店チェーンで、店舗数は最も多い。ライセンス店舗というのは直営で出店が困難な特殊な要因の商圏や立地などに限り契約を結んでいる。  スターバックス自体は1971年にシアトルでコーヒー焙煎の会社としてスタートし、世界83か国に3万2660店舗を展開しているが、内訳は直営が1万6637店、FCが1万6023店だ。日本は直営店がほとんどだ。なぜ、スターバックスは直営方式にこだわるかの理由は、スタバの理念やコンセプトを共有し、チェーンとしての統一性の順守、ブランド価値と提供品質の維持強化を目的としているからである。  フランチャイズシステムを採用すると、短期間でかつ低コストでの積極展開が可能で、規模の経済が発揮できるメリットがあり、また加盟金などの収入も得られる。しかし、加盟店は本部の理念やコンセプトを守るより、自店の儲けを優先するオーナーが存在するから、全体の足を引っ張りかねないのも実情だ。
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ブランド価値を守るための管理統制
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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