更新日:2024年09月05日 12:05
お金

“町の喫茶店”が減少の一途をたどる中、スタバ・コメダ・ドトールの「大手3チェーン」が店舗拡大を続けるワケ

ブランド価値を守るための管理統制

スターバックス

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 筆者も外食チェーンでFC運営部に所属し、デメリットの多さも経験してきた。海千山千の人が集まったチェーンで統一性を遵守させるのがいかに大変か思い知ったものだ。直営店を抱えるのは、固定費が相当増え、損益分岐点も高くなるなど経営リスクもあるが、全体のブランド価値を守るためには、直営方式で管理統制の適度な厳格なほうがいい。    業績は2015年に非上場となっており公開されていないが、最後の決算報告であった2014年度を見ると、売上1257億円、営業利益110億円、営業利益率8.7%と損益状況で、費用構造を見るとFLコスト(需要指標である原価(26.2%)+人件費(26.7%)が52.9%と標準値である60%を7.1%下回っている。賃料(R)も11%と低位水準でFLR比率は、標準値を大きく下回り、採算性が高い費用構造になっている。財務の安定性も自己資本比率65.4%と高く、年々盤石化してきているようだ。  メニューを見ると、コーヒーはもちろん、フラペチーノなどやケーキ・クッキー・ドーナツなどデザートメニューも充実しており、通りに面したオープンテラスなど、お洒落な雰囲気でステータスを感じながら、ひと時を過ごせる店である。

ドトールコーヒーショップ:創業62年で財務は盤石

ドトール

ドトール

 ドトールは、1962年設立で、今年62年目の企業である。2007年に「飲と食」の融合により新しい外食文化を社会に発信するため、日本レストランシステム株式会社と株式会社ドトールコーヒーが経営統合し、株式会社ドトール・日レスホールディングスを設立した。ドトール・日レスHDは、グループ全体(傘下のドトールや日レスなど7社)の最適化をはかるための企画・運営・管理等を行い、グループ全体を統括している。  ドトールは、コーヒー豆の生産・調達から焙煎・卸・小売りまでを自社で一貫して行うことで高い品質を維持し、多様な業態店を展開し、コーヒーを中心に多様なニーズに対応している企業である。総店舗数1274店舗で、特に駅前やビジネス立地に出店し、滞留時間の短く、客席回転率が高い効率経営を実現しているセルフ型コーヒーショップである。  売上は772億円、原価率は卸小売り事業があるため、50.3%と高めだ。そのため、営業利益は30億円、営業利益率3.9%と、収益性はそれほど高くないが、自己資本比率は71.8%と財務状態は盤石である。  ちなみに、株式会社ドトール・日レスホールディングスの同じ傘下であり、提携関係を強化している日本レストランシステム株式会社は「洋麺屋 五右衛門」「星乃珈琲店」「俵屋」など多業態型直営レストランチェーンを中心に展開しているが、自己資本比率87.7%と相当な財務基盤である。グループの店舗数の内訳は中核ブランドのドトールが1067店舗(FC809店舗、直営258店舗)、エクセルシオールカフェが122店舗(FC16店舗、直営106店舗)、その他85店舗である。
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モーニングで差別化を図るコーヒー店
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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