更新日:2024年09月25日 11:58
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年収1000万円アナ・奥井奈々「仕事はXのポストを読むだけ」から、腐らずに周囲の信頼を勝ち得た秘訣

 大学在学中にフロリダ大学へ留学。2015年に大学を卒業後、大手アパレル企業勤務を経て、モデル事務所にも所属。メディアアーティストの落合陽一さんがホストを務める「WEEKLY OCHIAI」というNewsPicksの討論番組で実施された「プロアナオーディション」に合格し、初代NewsPicksキャスターへ――。  こう書くと華麗な経歴で、いかにも順風満帆に思えるが、「私の人生は苦難と失敗の連続で、常に自分に自信を持てずにいました」と振り返る奥井奈々さん。

NewsPicksの番組オーディションで選出され、初代NewsPicksキャスターとなった奥井奈々さん。現在は、ネット番組を中心にMC やファシリテーターとして活躍するほか、ヘルスケアや体調管理に特化した動画メディア「WellNaviAI」の代表を務める

「年収1000万円」が約束されていたため高収入をもらいながらも、奥井さんが初めて担当した番組はわずか4回で打ち切り。その後は「X(旧Twitter)のポストをただ読むだけの係」に格下げされ、出演はわずか数分……。鳴り物入りでMCになったのに、完全に“お荷物状態”だったという。  しかし、そこで腐らなかった奥井さんは、堀江貴文さんや落合陽一さん、いつも厳しいプロデューサーなどから信頼を勝ち得ることができるまで成長したという。 「期待される成果を出せずに悩んでいる」 「職場で孤立感を抱いている」 「キャリアの方向性が定まらず、将来に不安を抱えている」  そんな悩みを抱えていた奥井さんは、初の著書『ガチ存在価値-あなたの姿勢で勝ちが決まる-』(游藝舎)で、数々の苦難を乗り越え、職場で認められるようになったカギをまとめた。  同じような悩みを抱えている人には、奥井さんのどん底からの執念の復活がヒントになるかもしれない。年収1000万円アナ時代、そこからいかにして「自分の存在価値」を見出したのか、奥井さんに話を聞いた。

初代NewsPicksキャスターとなり、アナウンサーとしてのキャリアをスタート

「大学卒業後は大手アパレル企業に就職しましたが、激務で体調を崩すなどして、わずか2年で退職しました。知人の紹介で東京のベンチャー企業に転職するも、試用期間でクビ……。その後は、173センチの高身長が活かされるかもしれないと思い、モデル事務所に所属したけれど、鳴かず飛ばず。  単発バイトを掛け持ちしながら、『この先どうしようか』と悶々としていたところ、たまたま見たYouTube のNewsPicksで『プロアナオーディション』があると知ったんです」(奥井さん)  2018年、落合陽一さんがホストを務める討論番組「WEEKLY OCHIAI」で、「女子アナのアップデート」というテーマを掲げ、「プロアナオーディション」が実施された。 「このプロアナオーディションでは、空気を読んで迎合したり忖度したりすることなく、自分の意見をしっかりと言えそうな人を選出しようとしていたそうです。台本を読むだけではなく、ジャーナリスティックな意見も発言していくアナウンサー。そんな人材を選ぼうとしていたと後で知らされました。  最終試験では、数回の選考を勝ち抜いた候補者たち4人が番組に生出演し、落合さんや元テレビ東京アナウンサーの大橋未歩さんたちからの面接を受けました」(奥井さん)  それに合格した奥井さんは、「プロアナ」として初代NewsPicksキャスターとなり、アナウンサーとしてのキャリアをスタートさせる。

年収1000万円をもらいながらも、仕事はXを読むだけ

奥井さんが初めて担当した番組は4回で打ち切り。その後はXのポストを読むだけの仕事しか与えられなかった

「とはいえ、当初はアナウンスの経験も知識もないにもかかわらず、『オーディション合格者は年収1000万円』という触れ込みだったため、いきなり実力に伴わない高収入を得てしまい、周りからの目も気になり、常にオドオド、恐縮しっぱなしでした。  求められていたのは、空気を読んで迎合したり、忖度したりせず、自分の意見を持った芯のある人。そして、台本を読むだけでなく意見も発するアナウンサー。  でも実際は、切り込むタイミングが最悪で、他の人と比べて落ち込んでばかり。勉強不足で意見も軽薄。台本は棒読み。しかも元来の早口とボソボソしゃべる癖のダブルパンチ。  また、番組収録の経験なんてゼロだった私は、カンペすらまともに読めず、カンペに書かれた『次のコーナーへ』という指示書きすらそのまま読んでしまい、ひんしゅくを買ったこともありました」(奥井さん)  そんな奥井さんが初めて担当した番組がわずか4回で打ち切りとなってしまった……。  その後は他番組で、放送中につぶやかれる番組に対する感想や意見のXのポストをただ読むだけで、出演はわずか数分。 「きっと、たいしたアナウンススキルも、番組を仕切るファシリテーション力もない私をどう使っていいのかわからず、『あんなダメなヤツでも、これくらいのことならできるだろう』と判断したのだと思います。鳴り物入りでMCになったのに、完全に“お荷物状態”でしたね……。  当時は、これ以上不相応な報酬を受け取ることに耐えられず、収録時に出される弁当すら手をつけなくなっていました」(奥井さん)
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情けない、消えたい……「早く1日が終われ」
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