更新日:2024年09月25日 11:58
エンタメ

年収1000万円アナ・奥井奈々「仕事はXのポストを読むだけ」から、腐らずに周囲の信頼を勝ち得た秘訣

情けない、消えたい……「早く1日が終われ」

 オーディションでは、「生命力がある」と高く評価された。しかしながら、いざ現場で仕事を任されてみると、自分の実力のなさを痛感し、死んだ魚のような目をし、生命力も何もない。 「常に誰かから、『あいつ、何やってるんだっけ?』『いったい何ができて合格したんだ?』と陰で言われているような妄想を抱いていました。縮こまってしまい、声がうまく出せない。そんな状態でアナウンサーの仕事なんてうまくできるはずもありません。  何をどうしたらいいのかもわからず、ひたすら指示待ち。アナウンサー志望の女子大生インターンのほうが私よりスキルがあり、その状況がますます私を追い詰めました。  そんな無能に存在価値はなく当然、仕事を振ってくれるはずがありません。悪循環がひたすら続きました。  情けない、消えたい、役立たず……。そんな無力感に苛まれながら、それでもどうすることもできないまま、『早く1日が終われ』と、ただただ時間が過ぎるのを待っていました」(奥井さん)

チャンスには徹底的な事前準備と試行錯誤

入念に準備をして臨んだ番組のMCをそつなくこなし、周囲にも認められ始めた。小さな仕事にも誠意をもって対応し、自分にできることから貢献することを心掛けたという

 そんな状況だった奥井さんにも、ついに転機が訪れる。2020年3月、ある特番で再びMCを任されることになった。 「NewsPicks創刊編集長・佐々木紀彦さんと古坂大魔王さんがMCを務め、私はサブMCとして番組を進行しました。その番組はある企業とのコラボ企画で、若者がその会社の製品を使ってアイデアを出し、コンテストで優勝すれば実際に共同開発できるというもの。  私は、若者が発表したアイデアに対して有識者からコメントをもらうコーナーを1人で担当しました。  関わる人数も非常に多く、大手広告代理店など関係者も収録に立ち会っていたのを覚えています。通常の放送よりもかかっているお金が明らかに違っていました。 『この番組でミスったら本当に終わりだ……』と、とてつもないプレッシャーでしたが、私にとってよかったのは、その特番では事前にしっかりと準備ができたこと。  台本を読み込むのはもちろん、出演者のプロフィールやコンテスト出場者の情報をしっかりと頭にたたき込み、イメージトレーニングも何度も行いました。  その結果、番組は滞りなく終わり、私は『何の落ち度もなく終えることができてよかった』と安堵しました。  今だったら、ただ台本通りに進行するだけでなく、もっとおもしろいコメントを引き出すようにしたり、視聴者に飽きさせないような工夫もできたかもしれませんが、当時は、とにかく事故が起こらず、滞りなく番組を進めることに全力を尽くしました」(奥井さん)  この特番をきっかけに、再びMCを担当させてもらえる機会が増え、本来のプロアナの役割だった番組のメインMCに返り咲きすることができた奥井さん。 「やっとスタート地点に戻れたことで自信がつきました。とはいえ、プロデューサーやディレクター、共演者、ゲストといった周囲の人々は、すごいキャリアや経験、専門性があるのに、私には何もない。  運が良かっただけでオーディションに受かり、ポッと出てきた私なんて、いてもいなくても一緒だろうなという気持ちは頭の片隅にずっと残っていましたし、決して苦悩しなくなったわけではありません。  ですがそれでも腐ることなく、特番のときと同様に徹底的に準備を行い、さらにいろいろな試行錯誤を繰り返しながら自分の存在価値を出そうと必死でした」
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ガチ存在価値 -あなたの姿勢で勝ちが決まる- ガチ存在価値 -あなたの姿勢で勝ちが決まる-

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