更新日:2024年10月18日 17:53
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進化するしゃぶしゃぶ食べ放題。王者「しゃぶ葉」に“勝ちたい”有名チェーン店の戦略とは

低価格路線のしゃぶ葉は若者世代や節約志向の人々に人気

しゃぶ葉

しゃぶ葉

 一方、すかいらーくグループのしゃぶ葉は低価格でヤングファミリーや若者を中心に人気を集めている。現在は295店(2024年9月時点)と、グループ内でも著しく店舗数を増やしており、経営資源の配分度合いを高めていることが分かる。  あれだけ安く食べ放題プランができるのは、やはりすかいらーく約3100店のスケールメリットとグローバルネットワークを活かし、効率的で安定的な調達を実現できているからだ。  今年1月に279店舗だったが、9月には295店舗と16店舗も新規出店している。グループ内の店舗数の増減を見ても、ガストは17店舗減らしており、しゃぶ葉に力を入れているのが分かる。グループ内のカニバリゼーションを解消し、成長業態の再配置でグループ全体の最適化を目指しているようだ。  安価な食べ放題として存在感を増すしゃぶ葉。コースと価格(税別)は、豚バラしゃぶ1,799円、豚しゃぶ1,999円、牛&豚しゃぶ2,299円、国産牛しゃぶ3,499円などの食べ放題コースがある。  ちなみに現在、平日ディナー限定で、豚しゃぶ+寿司の食べ放題+飲み放題のプランが1人3000円(税込)で、しかも、3時間と時間も長い。若い男女のグループ客に人気で、店は賑やかだ。  このプランは、家族客にも最適で、就学前のお子さんは無料となっており、小さなお子様連れのご家族には最高だと思う。野菜バーを見るとレタスやポテトサラダなどもあり、サラダのカスタマイズ化も可能で、しゃぶしゃぶの薬味やタレ関係もバリエーション豊かに揃えてある。  アルコール飲み放題も自動生ビールサーバーや各種サーバで多数用意され、お酒飲みのお父さん連中は大喜びだ。自分で入れるのは大変だという人もいるが、この物価高の中、これだけ安く食べて飲めるのはありがたい店である。  お肉とお寿司は好きな商品をタッチパネルで注文し、その他の野菜関係やうどん・カレーは料理卓に各自が取りに行くようになっている。一方で店側は、安く提供する為にお肉やお寿司の提供は配膳ロボットをフル稼働だ。  厨房も含めて少人数の店員で対応しているとはいえ、利益を出すのは大変なのではと心配するが、その点はコロナ収束後、業績の回復が好調なすかいらーくの傘下だからできることだろう。

高価格路線VS低価格路線の戦いに注目

 和食さと・しゃぶしゃぶ温野菜など、ワンランク上の食べ放題店に対し、両店とは一線を画し若者世代をターゲットに、低価格のしゃぶしゃぶ食べ放題を提供して支持を受けるしゃぶ葉。  価格帯・客層・品数・品質から自店のポジショニングを確認しても、立ち位置が異なるのが明白だ。これから企業や家族の忘年会を控えて、しゃぶしゃぶ食べ放題を売りとして、集客する各店は、自店の特性をアピールして集客し、顧客基盤のより強化に向けて頑張って欲しい。
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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