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「全裸以上の恥ずかしい事態に」35歳の現役グラドルがパリコレに出演してみたら――仰天ニュース傑作選

最後まで油断禁物のパリコレ旅行、まさかの一文無しに…

ミムロユウ

エトワール凱旋門前にて、筆者とモデルのミムロユウ

 何はともあれ、華やかなステージに立つことができて喜びに満ち溢れた筆者。パリコレ終了後は、他のモデルと数日にわたってパリ観光を楽しんだ。  そして帰国当日、シャルル・ド・ゴール国際空港へ向かう途中のエレベーター内でスリに遭い、一文無しになった。  まず何が起きたかというと、エレベーターであとから乗り込んできた長身の男性が、無言で後ろからグイグイ押し込んできたのだが(「エレベーターに乗りきれない」というような空気で)、その直後、筆者が背負っていたリュックのチャックが全開になっていて、財布が消えていた。  財布に入っていたデビットカードは盗難から1時間以内に5回使われ、クレジットカードは止める前に既に止まっていた。窃盗犯が認証に失敗したからだ。  かろうじてパスポートだけは別で持っていたのでなんとか出国できたが、あまり使わずに残しておいた現金(ユーロ)全てと保険証類も盗られ、カードや口座関係は全て止めて再発行に。フランスでは通報も何もできないまま搭乗時刻を迎えた。成田に着いてからも無一文で水すら買うことができず、妹が空港まで迎えに来てくれた。  ちなみにドイツで会社経営をしていた父も、昔、肩にコンデンスミルクのようなものを掛けられ「汚れていますよ」と知らない人から声を掛けられたそうだ。  そして肩の汚れに気を取られている間に置いた鞄を丸ごと盗まれ、汚れを教えてくれた親切な人の姿も消えていたのだとか。  鞄の中には家の住所から鍵まで全て入っていたので、防犯のため、家のドアごと取り換えるハメになり、追加で17〜18万円掛かったという(ドアをこじ開けようとした痕跡も見られたそうだ)。  小切手の冊子も見事に使い切られ、彼のパスポートはその15年後にスペインで、銃殺された人の所持品の中から見つかった。

ヨーロッパの美しさと汚さと

 パリだけでなく、ヨーロッパは人助けの精神に富んでいて、困っている人を皆が見過ごさない。街全体で、妊婦やベビーカー、大荷物の人や、老人、迷った観光客を助けるのがもはや常識なので、(かなり離れた場所からも、困っている人に気付けば助けにきてくれる)バリアフリー設備が少ない環境下でもわりと問題なく過ごせたりする。  こういった側面からも「日本人は冷たい」と言われる意味がよくわかった。筆者も何度、階段前で大荷物と共に立ち尽くしてきたことだろう。  日本では手を差し伸べてくれるどころか、しかめ面をされたり、「邪魔くせえ」という感じで怒ってくる人までいて、それが当たり前になっている。  うちの母が妊婦だった頃、ヨーロッパでは至れり尽くせりだったのに、帰国後、たとえばやっとのことで重たいドアを開けたときなど、ドアを開けた妊婦を差し置いて我先にと溢れ出ていく日本人の姿に唖然としたそうな。  しかし先述の通り、素晴らしい国民性の一方で、ヨーロッパではスリ被害やぼったくりもまだまだ多い。多民族国家ならではというのもあるかもしれないが、単純に街の規模も大きく、そしてどこにだって悪い奴は存在するのだ。  美しいパリコレのステージ、石造りの街並み、おおらかな精神を持つ人々。そんな華やかな地の光と影……。  スリ被害は悲しかったけれど、パリコレ含め、素晴らしい経験もたくさんさせてもらった。もしまたパリに行く機会があれば、今度はもっと心して臨みたい。  皆さんも旅行の際は筆者の二の舞にならぬよう、注意していただきたい。その旅が最後まで楽しいものになることを願う。 <取材・文/麻衣阿、ランウェイ写真/Augustin PARIS>
2社10事業を経営する現役モデル。大河ドラマやオペラ出演など、表舞台で活躍しつつ、イベントや舞台を100企画主催、グラビア作品を100本プロデュースする。辰巳出版『実話ローレンス』、講談社『with online』など、男性向けから女性向けまで幅広く記事を執筆する。Twitter:@MaiaUmetani、Instagram:@maiaumetani
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