更新日:2024年12月01日 16:12
エンタメ

「多摩川で釣った魚」や「野草」で飢えをしのいでいたアイドルに聞く、極貧時代に「一番ツラかったこと」

野草の調理方法はいろいろ試した。においはレモンでごまかす

ソラ豆琴美

にこやかに当時の苦労を語ってくれた

 ライブのない日は一日中多摩川で釣りをして食料を確保していたそうだ。趣味ではなく、生きるために釣り糸を垂らしていたわけだ。ここまでくるとやはりというか、野草も口にしていたそうだ。 「葉っぱとかも結構食べたんですが、一度すごくおしっこくさいのにあたっちゃって。口の周りがめちゃかぶれるんです! それ以来食べずにベランダで自分で育てるようになりましたね。ルッコラとか枝豆とか」 「野草を食べると、口がかぶれる」というのは“貧乏あるある”かもしれないが、これは現役アイドルのエピソードであるから笑うに笑えない。 「調理方法はいろいろ試しましたね~。においのきついのはレモンでごまかしたりとか。葉っぱは揚げたり。お酒を差し入れでいただくことが多かったのでお酒も使いましたね~。大体、から揚げっぽくすればお腹に溜まりました。基本、揚げるか焼くかすれば食べられました(笑)」  揚げるか焼くかで食べられる! 決してアイドル的ではないがある種、貧乏な中でのサバイバルを極めたと言ってもいいだろう。

冬にガスを止められるのが、一番の恐怖

 そんな極貧時代、一番ツラかったことはなんなのか最後に聞いてみた。 「一番はガスを止められたことですかね~。水道は1回しか止められたことないんですがガスはすぐ止まる。一昨年くらいも一度、止まりましたね。その頃は日中にペットボトルに水を入れて日向に置いておくんです。そうすると夜使う頃には温かくなってるので使えるんです」  電気も止められたというが、それでもやはりガスを止められるのがツラいというのは冬場の経験からだった。 「冬は本当にツラくて、シャワーも水だから寒くて唇がぶるぶる震えるんです。歯がカタカタするんですよ。それで自分でなにやってるんだろうって悲しくて涙が出てくるんですよ」
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冬に水風呂でしのいだ時期も…「一気に行けば大丈夫」
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富山県出身。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などを経て2018年に独立。執筆活動のほか書籍の編集、YouTube制作、アーティストマネジメント、ライブイベントなどを行っている。Twitter: @matsudai0228

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