更新日:2024年11月20日 17:38
仕事

看護師から“電気工事会社の社長”に転身した女性。力不足を痛感するも「コミュ力活かして」

SNS経由だからこそ“安易”な応募も。バックれ、ドタキャン…

@denki.ayaka 意外じゃない? #電気工事士 #女社長 #建設 #おすすめ ♬ オリジナル楽曲 – 建設社長のあやか

このような取り組みが実を結び、SNS経由で多くの求人応募が来るようになったのだ。 「今まで200件以上の面接を行い、13名の採用が決まりました。そのうち、今も当社で働いてくれている職人さんは5名いて、2人が若手の女性なんですよ。やはり、“男性社会”のイメージが残る業界ですが、彼女たちはやる気と向上心が強くて。うちは実力次第で、年齢関係なく成果に応じた給与を決めているのもあり、そうした社風とうまくフィットする人材が集まるようになりました」 当初の狙い通り人材採用に成功した一方で、いくつかの課題もあると佐藤さんは続ける。 「SNS経由だからこそ“安易”に応募してくる方も多く、バイト感覚のような軽い気持ちで考えていたり、当日にドタキャンされたりするのが悩みの種ですね。地方からの応募者には半年以上の勤務を条件に引越し費用を負担しますが、求めるのはやはり“本気の人材”ですので、SNSによる採用活動の難しさを感じていますね」

たくさんの人に電気工事の仕事を知ってもらいたい

オフィス

レナトゥスのオフィスにて。写真左の男性は早稲田大学出身の社員で、異業種からの転職も多いという

社長としてさまざまな苦労がありながらも、佐藤さんが今の仕事にやりがいを感じているのは、「社員の成長を実感したとき」だという。 「うちの会社で働く社員は結構仲が良くて。バーベキューしたりお花見したりと、みんなで集まる機会を積極的に作ってコミュニケーションを取るように心がけています。 そういう場で、先輩や後輩関係なく従業員同士が仲良くする姿を見るのが好きなんですよ。『こんなことができるようになりました!』と報告してくれる社員もいて、現場で活躍している話を聞くと、私自身もすごく嬉しくなります」 建設社長のあやか電気工事の仕事に加え、直近では多能工の募集を開始して新しい業態を作ることで、さらなる会社の成長を見据えていると佐藤さん。性別関係なく働きやすい会社を目指しつつ、採用やブランディング目的でSNSも引き続き運用していくという。 「インフルエンサーは目指していなくて、SNSから会社のことや電気工事のことを知ってもらい、業界に興味を持ってくれる人が増えたらいいなと思っています。幸いにも、コラボ動画の依頼は結構きているので、新しいことにも挑戦しながら、10万フォロワーをひとつの目標に頑張っていきたいですね」 人材採用を目的にSNSを活用する企業も増えているが、今回のレナトゥスの事例が参考になるかもしれない。 SNSという性質上、コンテンツを積み上げていくことが「資産」になり、それが採用にも活きてくるわけだ。会社の広告塔として、社長自ら表に立つ「建設社長のあやか」の挑戦は続く。 <取材・文/古田島大介、撮影/藤井厚年>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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