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「最後までお願いね」高級クラブのホステスが体験した“枕営業”の実態――仰天ニュース傑作選

「最後までお願いね」の真意

男女の乾杯

※写真はイメージです。以下同

 ほとんどの高級クラブには複数人のママがいます。各ママによってお客様の層は様々ですので、できたら穏やかで優しいお客様をたくさん抱えているママに気に入られると、ホステスは仕事がしやすいですね。でも、そんなラッキーはそうそう転がっていません。  某クラブの新人ホステスをしていた頃、とあるママの席に呼ばれて、地方からいらしたというお客様の隣に着きました。右も左もわからない頃でしたので、ひとまず大人しくしていようと、ちょこんと座っていたらいつの間にか閉店時間でした。  ママに女子トイレの前に呼び出されたので、席を外してママのもとへ行くと、地方からいらしたお客様とアフターに出て欲しい、とママから命じられました。  加えて、 「最後までお願いね」  と、耳元で囁かれました。最後まで?何のことかよくわかりませんでしたが、ママが怖くてたまらない私は、とりあえず「はい」と返事をしました。

アフターの顛末

 閉店後、地方からいらしたお客様とお寿司をつまんで、それからバーへ連れて行っていただきました。深夜2時くらいになり、明日も早いからそろそろ、と促されてバーを出ました。 「最後までお願いね」という言葉が引っかかったまま、お客様と一緒にタクシーに乗り込み、お客様がお泊りになっているホテルへ到着しました。ここで「今日はご馳走様でした」と挨拶して別れるのが一般的ですが、「最後までお願いね」と命じられた私は、タクシーを降りて、お客様をお部屋の前まで送りました。  エレベーターから降りて、お部屋の前まで並んで歩いた私は「それでは、ごきげんよう」と、お辞儀をしてプイッと帰ってしまいました。お客様からしたら恐らく「そ、そんなあ〜」という感じですよね。  小娘の頭では“最後まで”は“お部屋の前まで”だったのです。しかし、ママの仰る“最後まで”は、“ベッドインまで”でした。翌朝、アフターの一部始終をママに報告した私はこっぴどく叱られ、それ以降は彼女の席に呼ばれることはありませんでした。
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枕営業のリアル
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1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989

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