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タワマンの“強固すぎるセキュリティ”が命取りに。救急救命士が「絶対助からない」と嘆く現場も

「緊急解除ボタン」がない可能性もある

こうした経験をしたのは、たたらさんだけではありません。元救急救命士のこーじさんにも話を聞きました。 ――タワマンのエントランス前で困ったことはありますか。 こーじ:私も緊急解除ボタンを探すのに手間取ったり、天井に設置されているため手が届かなくて時間がかかったりしたことがあります。そんな時は、選択できるなかで1番早い方法を選びます。 タワマン等オートロックの扉には、基本的には緊急解除ボタンが設置されていますが、『消防法上火災活動を妨げないように設置してください』というだけで、解除ボタンを設置するよう義務付けられてはいません。つまり、緊急解除ボタンがない可能性もあるのです。 特に、CPA(心肺停止)の場合は、『エレベーターが遅い!』と感じるぐらい急いでいます。エントランスで緊急解除ボタンを押すのに手間取ると、結構バタバタになりがちですから。 ===== アメリカ心臓協会と正式に提携した救命処置の国際トレーニング組織、日本ACLS協会によると、<心肺停止に陥ったあとAEDによる除細動が1分遅れるごとに救命率は7~10%ずつ下がります。このことから10分以上除細動が行われないと生存が難しいことがわかります>とのことです。(参照:NPO法人日本ACLS協会のガイド) ことタワマンに限らず、近隣住民との関係は希薄になりがちです。ただ、AEDの使用については、いざという時に備えて日頃から連携しておく必要があるかもしれません。 <取材・文/渡辺陽>
大阪府出身。医療ジャーナリスト、ライター。人物取材を中心に病気と共に生きる人のライフスタイルや社会問題について書いています。
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