更新日:2025年02月25日 23:47
恋愛・結婚

「粉ミルクは体に悪い」と主張、“母乳を強要する夫”が怪しい動き…「子供がよく眠るようになった」まさかの理由に愕然…

子供がよく眠るようになったが、原因は分からず

「強い態度をとるくせに、反抗されると縮こまるんですよ。なら別の方法を考えようって、そう言ったんです。そのときは、理解してもらえたってホッとしました」  それからしばらくして、麻美さんはある違和感を覚えるようになった。子供の機嫌が良く、よく眠るようになったのだ。それ自体は喜ばしいことだったが、妙に安定しすぎているようにも思えた。 「最近、この子よく寝る気がするんだけど…」  ある夜、麻美さんが何気なく言うと、信也さんは少し動揺した様子でこう言った。 「赤ちゃんなんだから、よく寝るのは当然でしょ」 「でも、ミルクをあげる量は変わってないのに」 「そういうものなんじゃないの。ミルク、俺があげとくから。もうお風呂入ってきなよ」  夫への違和感は日増しに強くなった。隠し事をしているのはすぐに勘付いたが、それが何かはわからなかった。浮気しているそぶりはない。ただ、違和感だけがずっとある。そしてある日、麻美さんは決定的な証拠を目にする。

「違和感の正体」はまさかの…

「洗面所の隅に、小さな冷蔵パックが置かれてたんですよ。中身は白い液体です。すぐにわかりました、母乳だって」  麻美さんは息を呑んだ。容器には小さなラベルが貼られており、そこには黒いペンで日付が書かれていた。  彼女の心臓が一気に跳ね上がる。その母乳を手に取り、リビングでくつろいでいた夫に投げつけた。 「これ、なに? どういうこと?」と麻美さんは言った。  夫はとぼけ、しばらく何も言わなかった。だが、観念したように口を開く。 「助産師の方にお願いして、定期的にもらってた」  夫は決して悪びれた様子ではなかったという。自分は子供のためにベストを尽くしていると、そう訴えてきた。  「でも、夫の説明なんて耳に入ってこなかったです。心臓がキュッとなって、自然と涙が溢れてきたんですよ。夫がミルクをあげてくれたのも、夜泣きをあやしてくれたのも、全部他人の母乳をあげるためなんだって思って……」  これは正義だろうか。それとも悪なのだろうか。それを判断するのは、少なくとも私ではないだろう。   <TEXT/山田ぱんつ>
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