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資産10億円の不動産投資家が語る「シュークリームの忍耐実験」から見えた意外な“投資の真実”

東京23区の中古ワンルームマンション中心に不動産投資を展開。現在、38戸の物件を所有し、資産額10億円、年間家賃収入4000万円の個人投資家・村野博基氏。村野氏は投資においては投資ではしっかりとした「モノの見方の物差し」を持ち、その基準は絶対ではないから柔軟に変えるべきと言います。なぜ見方が大事なのかについて聞いていきます。
シュークリーム

画像はイメージです

「自制心が成功を掴む」は本当か?

資産を形成していくなかでは「物事において判断基準を持つこと」が重要です。しかし、その判断基準はその見方によって変わってくるもの。絶対的な判断基準はないと私は考えています。 この話をする際に私が引き合いに出すのは「忍耐」を図る問題です。 「目の前にシュークリームがあります。もしこれを食べてしまえば20分後にもう一つ差し上げますが、食べるのを我慢すれば10分後にもう一つ差し上げます。あなたはこのシュークリームを食べますか? 我慢しますか?」 このお話では、「忍耐強い人は10分待つ」を選択するでしょう。その一方で「忍耐強くない人は今すぐに食べてしまう」というのが一般的な見方かと思います。しかし見方を変えると「忍耐強くない人こそが10分待つ」という結論にもなり得るのです。

「投資はリスクがある」と思考停止することに

同じ問題ですが、聞き方をこう変えたらどうでしょう。 「既に一つのシュークリームは手に入れています。次のシュークリームを手に入れるまでに10分待つのと20分待つのではどちらが良いですか? ただし20分待つなら今食べても良いですが、10分待つ方を選ぶなら食べてはダメです」 忍耐がどこに発揮されるのかによって判断基準は変わります。前者の問題は「食べるか食べないか」に焦点を当てているのに対し、後者は「待つか待たないか」に焦点を当てています。結果、忍耐強くない人は先の問題では「食べる」を選択し、後の問題だと「食べない」を選択するはずです。 この事柄からも、物事の見方、焦点の当てかたによって行動が180°変わることは時折発生します。ですから自分自身の考え方や、行動したときの理由をよく考えて「どのような見方をしたのか、どこに焦点を当てたのか」をよく整理しておくことが必要です。そうすれば、もしうまくいかないことがあっても、違うものの見方をすることでうまくいったことに感じられて幸せな人生が送れたりするものだと考えています。 投資においても「リスクがある」と一歩踏み出さない方は多いですが、一方でどんなに利回りが低くても、普通預金よりはきっと高いはず。つまり物の見方によっては、投資をしないことは「本来得られたであろう利益を失う」ということであり、リスクがある、と踏み出さないことこそ利益を失うリスクだったりするのです。
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「前提が変わらないか」を考えよう
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1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。その投資の担保として不動産に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であることに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をアーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区のうち16区に計38戸の物件を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。著書に『43歳で「FIRE」を実現したボクの“無敵"不動産投資法』(アーク出版)

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