「バケモンだー!」と叫ばれても笑顔でオムツ交換。お笑い芸人・安藤なつ(44)が語る介護現場での20年
安藤なつさん(44歳)は、お笑いコンビ「メイプル超合金」のツッコミ担当で、相方はカズレーザーさん。2015年のM-1グランプリ決勝進出でブレイクした、介護福祉士の資格も持つ芸人だ。芸人として活躍しながら、介護職もするという、安藤さんに話を聞いた。
安藤さんは東京都に生まれ育つ。小さい頃はどんな子どもだったのだろうか。
「男の子と秘密基地を作ったりする活発な子でした。小学校には、今でいう特別支援学級などはなく、障害のある方との接点はほとんどありませんでした」
そんな安藤さんが本格的に、障害者や認知症の高齢者と接したのは、都内にあるおじが運営する小規模なデイケア&ショートステイ事業所に遊びに行った、7歳の時だった。
「脳性まひの人と初めて接した時は、子どもなので、『どこか痛いのかな』『ケガをしているのかな?』と思いました。2~3人の利用者がいましたが、一緒にお菓子を食べたり散歩をしたり楽しかったです」
それ以来、おじさんの事業所に遊びに行くことが増えていった。
「小学校高学年になる頃には、一緒に、マラソンやプールなどの合宿に行くようになりました。みんなでワイワイ騒ぐのが好きだったんです」
安藤さんはその体験もあり、中学校では柔道部とボランティア部に所属する。
中学生の頃はボランティア部に所属したが、ほとんど活動していない部だったので、安藤さんは土日になるとおじの家に行き、高齢者や障害者の介護を手伝うことにした。
「利用者さんの中に、当時は『痴ほう(現在の認知症)』と呼ばれていた物忘れのあるおばあちゃんがいたんです。着替えられない・食堂に行くことを渋る人でした。そのおばあちゃんのお世話をして、何か月目かの時、食堂に連れて行くことができた。自分のことを認めてくれたんだって、やりがいを感じました」
そのかたわら、お笑い番組が好きだった安藤さんは、中2の時に、『タモリのスーパーボキャブラ天国』に出演していた「アンラッキー後藤」のファンになる。
「ピン芸人さんだったんですが、相方を募集していたんです。すぐに、相方になりたいと手紙を書きました」
その時は、アンラッキー後藤さんが大学進学を理由に断られるが、その丁寧な返信に心を打たれた。そのことが、後にお笑い芸人としての活躍につながっていく。

「メイプル超合金」のツッコミ担当 安藤なつさん(44歳)
7歳の時に出会った認知症の高齢者や脳性まひの人との楽しい思い出
認知症のおばあちゃんを食堂に連れていけた

認知症のおばあちゃんとのエピソードを語る安藤なつさん
ライター・原作者・あいである広場編集長。立教大学経済学部経営学科卒。「認知症」「介護虐待」「障害者支援」「マイノリティ問題」など、多くの人が見ないようにする社会課題を中心に取材する。文春オンライン・週刊プレイボーイ・LIFULL介護などで連載・寄稿中。『認知症が見る世界』(竹書房・2023年)原作者
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