大手自動車メーカーを退職した40歳男性「自己投資に500万円」の意外なその後
企業のコンプライアンス意識が高まる一方で、パワハラによる被害は後を絶たない。厚生労働省によると、’24年度に仕事上の強いストレスが原因でうつ病などの精神障害となり、労災と認められた人は1055人にのぼるという。原因は“上司などからのパワハラ”が224人と最多だった。大手自動車メーカーで長年勤めていた安永啓一郎さん(40歳)も同僚と上司のパワハラに悩まされていたが、2024年12月にFIREを達成した。
安永さんは現在、会社員時代を過ごした東海地方を離れ、妻や3人の子どもたちと長野県で暮らしている。2024年12月にFIREを達成したときに7500万円だった資産は、8000万円に増額。
投資をメインに自身が教わったオンラインの資産運用スクールの運営を手伝いながら、悠々自適な生活を送っている。だが、「学生時代は終身雇用に憧れて就職活動に励んでいた」と振り返る。
「父が大手企業に勤めていたこともあり、幼い頃からいい大学を出て大手企業に就職し、定年まで働くことが正しいと考えていたんです。それで2008年に大学を卒業後、大手自動車メーカーに就職し、順調にキャリアを積み重ねてきました」
順風満帆だった安永さんのサラリーマン生活に暗雲が立ち込めたのは、入社して10年目の年だった。
「2018年に異動した部署の3歳年上の同僚や上司とうまくいかず、人間関係に悩むようになって……。同僚からは、仕事の出来が悪いと叱責され、頭を叩かれるなどの暴力も受けるようになりました。
同僚のパワハラは次第にエスカレートしていき、有休取得日の朝6時から夜24時まで電話で何度も怒鳴り散らされたこともあります。休日やお盆休みなどの休暇中にも同僚からの電話は鳴りやまず、家にいても心の休まらない日々が続きましたね」
上司に相談したものの、問題は解決するどころか悪化してしまう。
「上司からは、『お前のパフォーマンスが悪いせいだ』と会議室で責められました。椅子を蹴って怒る上司に萎縮してしまい、いつしか『パワハラを受けたのは自分の仕事のパフォーマンスが低いたせいだ』と思い込んでしまって、当時の私は社内の相談窓口に訴えることもしなかったんです」
その結果、パワハラは同僚が会社を退職した2023年の夏まで続くことに。安永さんはパワハラに耐えながら、まずは会社員としてのパフォーマンスを向上させるために、自己投資に励んでいく。
「最初はMBA取得を考えました。約40万円を投資して9か月間単科で学びましたが、自分がやりたいこととは違っていたので断念しました。次に自分の内面を鍛えるべきだと考え、妻と一緒に自己啓発セミナーにも通いました。自己投資には、妻と合わせて500万円くらいは使ったと思います」
同僚と上司のパワハラで精神が不安定に

FIREを達成し、長野県で暮らす安永啓一郎さん
夫婦合わせて、約500万円を自己投資
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