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「バキバキの味の素否定派vs本音しか言わない医者」動画が話題の医師芸人を直撃。太田プロを退所した理由も告白

白衣姿に丸眼鏡、こちらを凝視する見開かれた両目——。
井たくま

井たくま氏

「SNSで見たことがあるぞ!」とピンと来た方も多いのではないだろうか。彼は「バキバキの信者VS医者」シリーズなどのショート動画で今注目を集める、“ニート医師”を名乗る井たくま氏。お笑い芸人でありながら、現役の“医師”でもある。万バズをきっかけにこの数ヶ月で状況が激変したという彼の素顔に迫った。(記事は全2回の1回目)

万バズのピン芸人は本物のお医者さん!

「バキバキの信者VS医者」シリーズ

井たくま氏が、ある物を盲目的に信じる男性と、男性を論破する医師を一人二役で演じる「バキバキの信者VS医者」シリーズ。登場人物の表情やリズミカルな会話の応酬が思わず癖になる

——今日はよろしくお願いします。のっけから単刀直入にうかがいますが、井たくまさんって何者なんですか? “ニート医師”と名乗っていますが、もしかして本物のお医者さん……? 井たくま:ちゃんと医学部を卒業して医師免許も持っていますよ! でも本職はフリーランスのピン芸人です。芸歴は4年目で、今年の7月までは太田プロダクションに所属していました。披露するネタには、医者ならではの知識や実際の病院勤務での経験を取り入れているものが多いです。 ちなみに今でも週に3~4回ほど医者としてアルバイト勤務をしています。でも他の先生方と違って専門領域(※消化器内科、耳鼻科など)を持っているわけではないですし、芸人としてやっていくために医者の仕事を続けているようなところが大きいので、専業で立派に働いている先生方とは違うんだという意味を込めて“ニート医師”を名乗っています。 ——本物のお医者さんでしたか、失礼しました。疑問が解決したところで本題に入らせていただきます。「バキバキの信者VS医者」シリーズのショート動画が大変話題で、YouTubeでは再生数が1000万回を超えているものもありますね。このシリーズがバズったきっかけを教えてください。 井たくま:実際はこのシリーズを狙ってバズらせようとしたわけではないんです。動画投稿自体は芸人になってからすぐ始めたんですがなかなか当たらず……。投稿を中断していた時期もありましたが、舞台や賞レースでうまくいっているわけでもなかったので「ここでSNSをやめたら終わりだ!」という気持ちでコツコツ続けていました。 最近では、「SNSで流行っているフォーマット」と「医師である自分の持ちネタや時事ネタ」をかけあわせてみたりと試行錯誤していたところ、今も一番再生されている「バキバキの味の素否定派VS本音しか言わない医者」のショート動画が急にバーンと跳ねたという感じです。5月末にアップしてからあれよあれよという間に再生回数がどんどん増え、それにつられるようにYouTubeの登録者数や、Instagram、TikTokのフォロワー数、再生回数が爆増していきました。

SNSだからこそ届けられた笑いも

——まさにSNSらしいヒットの仕方ですね。 井たくま:今年5月にアップしたYouTubeの動画ではまだ「登録者数3万人を目指します!」と言っていたんですが、目標を軽々と超えて9月時点で17万人に届きました。Instagramもバズる前はフォロワーが4万人程度だったのが28万人を超えたので、やはり影響は大きかったです。 あとは定期的にYouTubeで生配信も行っているんですが、そちらの同時接続数も100人ぐらいだったのが毎回500人ぐらいに増えました。視聴してくれる人が増えるとコメントの盛り上がりも違います。 ——SNS以外の場でも変化を実感したことはありますか? 井たくま:街なかで声をかけてもらえるようになったことですね。そういえば最近、印象深かった方がいて。歩いているときに急に男性からパッとスマートフォンの画面を見せられて、そこに自分の動画が映っていたので「ありがとうございます」と言ったら、さらに男性がメモ帳を出してくださったんです。その男性は耳が全く聞こえない方で、メモ帳には「いつも見ています、一緒に写真を撮ってください」と書いてありました。こういう方も見てくれているんだとハッとしました。字幕をつけててよかったなって。 街なかでの声かけとはまた違いますが、医療あるあるネタを扱っていることもあって視聴者の中に時折病気の方もいて、「自分はがんの治療中なんですが、井たくまさんの動画で笑えました」なんて言ってもらうこともありました。SNSでの発信って、お笑い芸人の中では「本流じゃない」とみなされることもあるんですが、こうやっていろいろな人に自分のネタが届いて楽しんでもらっているなら、それはそれでいいかと最近では思っています。
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フリーライター。全国紙記者、ブランディング会社ライター・ディレクターを経て現職。暴れん坊の猫3匹を飼っています。

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