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「自分は弱者だ」と感じる“普通の男性”が増加…これ以上自己評価を下げないための“考え方”とは

低年収、非モテ、孤独──。これまで「弱者男性」はこうした属性で語られてきた。しかし今、“普通の男”たちの間でも「自分は弱い存在だ」と感じる人が急増している。広がる負の感情の正体は何なのか。男性たちの心に巣くう“呪い”の正体に迫った。 【弱者感】 じゃくしゃ-かん 自分が社会の中で「劣っている・取り残されている・報われない側にいる」という主観的な感覚。 実際の地位や収入、能力にかかわらず、相対的な劣位感・無力感・疎外感を感じる心の状態。 ※編集部作成

「現代社会で男が弱者感を覚えるのは当然」

新たな生きづらさ 男に広まる[弱者感]

写真はイメージ(以下同)

普通の人生を歩んでいたはずの男が“弱者化”の危機に瀕している。弱りゆく彼らの脳内では何が起こっているのか。心理学や脳科学など多角的な研究を展開する明治大学教授の堀田秀吾氏は「現代社会で男が弱者感を覚えるのは当然」と語る。 「そもそも人間を含めた動物の進化には膨大な時間がかかるもの。文明の発達がもたらした昨今の急速かつ多様な価値観の変化についていけずにとまどうのも無理はありません。かつて自分のムラで一生を終えていた時代は、毎日ごはんが食べられて、健康ならそれで幸せでしたが、今はそうではないのです」 情報が氾濫する現代社会は、他人との比較を招く。便利な半面、それは人を幸せから遠ざける要因にもなり得る。 「社会心理学者のフェスティンガーは『人間は自らの能力や意見を他者と比較することで、自己評価する“社会的比較”を行う』と説きました。特に男性は本来、種を残すため競争本能がある生き物。SNSの発展で他人との比較が容易になり、自分は劣っていると感じやすくなった。問題は一部のサンプルなのに、それが全てと思いこむことです」

自らを守るための機能が症状を加速させる

そして自らを守るための機能がこの症状をさらに加速させるという。堀田氏が続ける。 「人は迫りくる危機的状況を回避すべく、マイナスの情報に気づきやすくなる“ネガティビティ・バイアス”が働きます。その性質が自己評価をより低下させてしまいます」 なかでも社会的比較に陥りやすいのが中年世代だ。
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“イイもの”に挟まれて弱者感に陥る中年たち
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