安全な街づくりを目指す協議会「アキバ21」とは?
―[脱マニア化する秋葉原の今]―
電気街、パソコンの街、オタクの街としての“マニアック”なイメージを生んだ秋葉原。しかし、家電店やPCショップの老舗が消え、同時にマニアでない人々の流入で変化が起きている。そんな秋葉原の“今”を追った
◆事件から歩行者天国再開にいたる道のり
電気街、オタクの街。そして、今、さらなる進化を続けていく秋葉原。この街を80年近く見守り続けてきた地域連携協議会「アキバ21」会長・大塚實氏に、秋葉原の街の変化を聞いた。
「60年前くらいの、秋葉原はラジオなどの電子部品が集まる街でした。私自身、よく部品から自作ラジオを組み立てていましたね」
そして時がたち、再開発によるIT化やオタク文化に注目が集まっていた秋葉原を襲ったのが、’08年6月8日に起こった「秋葉原無差別殺傷事件」だ。この事件により、秋葉原の名物であった歩行者天国は即廃止。パフォーマーやコスプレイヤーも一掃された。
「秋葉原の歩行者天国再開について、みな事件直後は反対でした。再開にあたり、地域の店や住民にアンケートをとり、結果は、7割賛成で3割反対。あんな事件があれば、再開を反対する人の気持ちもわかる。でも、秋葉原の街をどうにか活気づかせたいと思い、話し合いました。結果、秋葉原の店で連携して地域連携協議会『アキバ21』を立ち上げた。そして警察に相談し、アキバ21がアキバのルール作りをするという条件で、歩行者天国を再開したんです」
とはいえ、単に以前と同じような形で歩行者天国を再開したわけではない。正常化のためコスプレイヤーやビラ配りを規制したり、普通の家族が遊びに来られるように再開発にあたって飲食店の増設などを提案したこともある。
「家族連れでも訪れてもらえるような『安全・安心な秋葉原』にすることが先決だと考えています。その成果か、最近は秋葉原に買い物に訪れる家族連れが増えた。子供1人でも安心して来られる街づくりを目指すことが、私たちの課題だと思っています」
最近の歩行者天国では交差点ごとに警備が立ち、注意の立て看板が置かれている
【大塚 實氏】
秋葉原電気街振興会や町会で構成された地域連携部会「アキバ21」会長。秋葉原の観光促進に尽力。「みんなで協力、安全・安心、元気なアキバ」をスローガンにする
― 脱マニア化する秋葉原の今【7】 ―
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