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一夜で“迷宮”化してしまった吉祥寺駅

吉祥寺駅

井の頭恩賜公園のある駅南口、サンロードのある北口、さらには、駅につながるアトレ吉祥寺への出口がどこなのか、構内で立ち止まりよくよく考えても、この景観では途方に暮れてしまう……

「駅構内の景色が一変してもう1週間以上経つけど、いまだに自分がどこに向かって歩いているのかがわからなくなる(苦笑)。かれこれ10年以上吉祥寺に住んでいるのですが、最寄りの駅が“迷宮”と化してしまった感じですね」(30代男性)

 JR中央線と京王井の頭線が乗り入れ、長らく「住んでみたい街No.1」の座に君臨し続けてきた東京・吉祥寺に、今ある“動揺”が広がっている……。

 8月5日より、駅舎耐震補強と建て替えに伴う大規模な解体過程に入ったことで駅構内が一夜にして激変。それまで長年行き交っていた通路はいくつかに分断され、工事用に2、3階部分も“増設”。無機質な工事用パネルやゴムマット、ケーブルプロテクターで、壁と床のすべてが覆われてしまったこともあり、今自分がどこに立っているのかさえ皆目見当がつかなくなるほどなのだ。

「ここ?どこ? 吉祥寺駅が非日常空間化してる!」

「吉祥寺駅が一晩でトランスフォームしててスーパーここどこ状態wwなにこの迷路ww一晩で異界なんだけどwwwwこわ」

「あれだね、今の吉祥寺駅で思い通りの出口に出ようなんて思う方が間違いだね」

 今もツイッター上にはこんなつぶやきが溢れているが、オフィスや学校も点在し、大きな繁華街を抱える吉祥寺駅の利用客は1日平均13万7555人(’11年度、JR東日本エリア内18位)。駅周辺には井の頭恩賜公園など観光スポットも多いため、お盆休み中、遠出で訪れた利用者にとっては駅の外に出るのもひと苦労といったところだろう。それにしても、この状況はいつまで続くのか……。京王電鉄の井の頭工事事務所に問い合わせてみた。

「駅ビル建替工事がすべて終わるのは’14年3月末ですが、来年9月までに新築部分との切替が進むので、今よりはかなり利用しやすくなるはずです。今回の工事は、JRと京王線を南北自由通路でつなぎ駅機能の向上をはかることなどが目的ですが、工事中、駅構内をもっと利用しやすく、わかりやすくしてほしいなどの要望が大きくなってきたら、何らかのかたちで考えていきたいと思います」

 吉祥寺“再再開発”の中心である駅舎立替。工事が完了する’14年3月末まで“空白地帯”にしておくのもけっこうだが、「住んでみたい街No.1」の矜持で、工事中ならではの観光スポットとして甦らせるのもひとつの手だと思うが……。 <取材・文/山崎元(本誌)>




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