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鉄道模型の甲子園2012、全国95校を制したのは灘高校【全作品画像アリ】

「鉄道模型の甲子園」とも称される、鉄道好きな文化系高校生たちが集うビッグイベントをご存知だろうか? 去る8月17日、18日の両日、東京ビックサイトにて開催された「第4回全国高等学校鉄道模型選手権」だ。もともとは「国際鉄道模型コンベンション」というイベントの一部として行われてきたが、参加高が多くなってきたため今年から独立運営されるようになったという。全国95校の「鉄道研究会」など鉄道に関わる部活、同好会が結集したこのイベントの模様をリポートしよう。

 このイベントは2日に渡って開催される。「モジュール部門」「一畳レイアウト部門」「HOゲージ部門」の3部門に分かれ、それぞれの作品を展示。初日に客による投票が行われ、2日目に表彰式が行われる段取りだ。

 初日に訪れると、数多くの鉄道模型が置かれ、高校生たちが見所をアピールしている。「西国分寺駅を徹底的に再現しました」(早稲田実業)、「航空写真を元に、自販機の位置までこだわりました」(東京都立科学技術高校)といった「徹底再現派」や、「この電車が通ると信号が変わります」(東海高校)、「鉄道模型なのに飛行機も飛ばしちゃいました」(大阪府立佐野工科高校)といった模型としてのギミックにこだわる高校、また架空の場所をつくることに夢中になっている高校も。なかには女子高生もいて、「このイベントは先生が『やろう』と言ってきたんですけど、すっかり電車に夢中になってしまいました」と語っていた。

「鉄道模型の甲子園って言っても、どうせただの展示会だろ」と思われる方もいらっしゃるかもしれない。だが、高校生たちはかなり勝負には真剣だ。会場ではステージが設置されていて、CSテレビの収録が行われていたのだが、昨年優勝の岩倉高校の作品がモニターに映し出されると「これなら勝てる!」と仲間と語り合う高校や、「これは負けたな」とひそひそとささやく高校など、勝負の行方を予想し一喜一憂していた。

 2日目、朝9時から表彰式が行われた。95校と参加高数がもっとも多い「モジュール部門」から各賞の表彰が行われ、最優秀賞を獲得したのは灘高校の「とある河口の熱帯雨林」という作品。南国風の海辺に線路がある、異色の作品で、マングローブの木を70本以上植えてあるのが見所だという。

 模型作りを主導した貫名将人さん(高校2年生)に「優勝したご気分はどうですか?」と聞くと、「優勝するつもりでやっていたんで。でも、今年初参加なんですが、去年よりも全体のレベルが上がっていてヒヤヒヤしました」と自信をうかがわせる回答。約2か月、のべ13人で作製したというが、南の島の風景を作品のモチーフにした理由は「昔、マレーシアに住んでいたことが影響しているかもしれません」とのことだ。

モジュール部門で優勝した「灘中学校・灘高等学校 鉄道研究部」による作品「とある河口の熱帯雨林」

 続いて、一畳の大きさでのレイアウトを競う「一畳レイアウト部門」(14校参加)の表彰。こちらは京都市立洛陽工業高校の「山洛峡」が最優秀賞を獲得。国鉄山陰本線をモチーフにしたこちらの作品作りを主導した鵜飼大輔さん(高校3年生)によれば「トンネルの中のループ線の調整に苦労した」とのこと。狭い部室のほとんどをこの模型が占める状況で、夏休みに冷房も効かない暑さの中、10人のメンバーで作製したという。こちらも初参加、初優勝だ。

⇒【画像】はこちら http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=275518

「一畳レイアウト部門」で優勝した「京都市立洛陽工業高等学校 鉄道研究部」の作品「山洛峡」

 最後に「HOゲージ部門」では昭和鉄道高校が優勝し、表彰式は幕を閉じた。生き生きと自ら作成した模型の説明をしてくれる彼らを見ていて、鉄道好きの文化系高校生たちも、高校球児に負けないぐらい青春を謳歌しているな、と感じ入った2日間であった。

【モジュール部門】参加全校の作品
※番号は各校の参加番号で、順位ではありません
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【一畳レイアウト部門】参加全校の作品
※番号は各校の参加番号で、順位ではありません
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<取材・文/織田曜一郎(本誌) 撮影/山川修一(本誌)>




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