キアヌ・リーブスの皿洗いに学ぶ[女心のツボ]
【ツボ1】 お皿を洗ってくれる
シャーリーズが作ったディナーを終えた後、皿洗いが苦手な彼女のために、キアヌが皿を洗ってあげる、というシーンがある。その横にしゃがんでのんびりおしゃべりするシャーリーズ。「あんた! 皿ぐらい洗ってよ!!」といった日常を感じさせない、妙にエロチックな情景だ。
”バリバリのエリート社員が、私のために皿洗い。ほかの女にはこんなことしてこなかったはず♪”というのがツボなのであって、家事全般をすべて男がやってしまったり、シンクまでピッカピカにするのは、尽くしすぎで下に見られるのだ。
ちゃんと仕事をしているという前提ありきで、ヒモがちょろっと皿洗いしたところで感謝をされないのは言うまでもない。
【ツボ2】 彼女の言動を覚えていて、それに即したプレゼントをくれる
キアヌがサンタの格好をして、12個のクリスマスプレゼントをシャーリーズに渡すシーンがある。これが、彼女の過去の言動を覚えていたからこそ選べた物ばかり。
「あなたの歌、聞いてみたいわ」と言われたのでライブハウスを貸しきって歌を披露、里子に出た犬ともう一度会わせてあげる、皿洗いが苦手な彼女のために食洗機を与える……。
高けりゃいいってものではない。女は「私の言ったこと、覚えててくれたんだ」が大好き。なぜなら「いつもキミにアテンションしてるよ」という証明になるからだ。愛されたい! ボエ~!!
【ツボ3】 「キミと出会って、本当に愛するってことを知ったよ」
愛を知らない冷徹な男で、女の扱いもテキトーだったキアヌが、シャーリーズによって真実の愛を知り、ついにはプロポーズ♪ これは女の大好物なストーリーだ(それを証拠に、「ダメな彼を私が変えてみせる!」と意気込み、どれほど多くのだめんず・うぉ~か~たちが討ち死にしてきたことだろうか)。
成功のためには手段を選ばない企業戦士が、2人の愛の時間のために携帯電話の電源を切り、腕時計をはずす……。これ以上の「私が一番大事なのね」感はないだろう。リアルに会社を辞められたら困るのだが。
「キミが僕を変えた」「キミと出会って愛の何たるかを知った」。言うだけは無料。折に触れて口にしてみるのはどうだろう。
【おまけ】別解釈
前出の荻原かおるさんは、『スウィート・ノベンバー』を別の角度から見る。
「私は、シャーリーズは実は死んでないんじゃないかと思うんですよ。ビッチで、たくさんのいい男と関係を持ちたいがために、『苦しみぬいて死んでゆく姿を見せたくない』を口実にして、1か月ごとに男をとっかえひっかえしてる健康体の女だったっていうオチを妄想します。そう解釈すると、女にとって最高に都合のいいストーリーですよね!」
自分は責任を取らずに、いい男から月替わりでちゃっかり「愛」をいただく。
そう解釈すると、「女のずるさ・したたかさ」を学ぶテキストにもなるかも。
※個人の見解なので、「夢を壊された!」などと怒らないでください。
取材・文/友部綾子
尽くせば尽くすほど、彼女がつけあがる。値の張るプレゼントをあげたのに、イマイチ感謝されない。そんな男性諸氏に観てもらいたい映画がある。
以前、セックスレスに悩む男女を取材した際、恋愛・セックスカウンセラーの荻原かおるさんが、「妻に拒まれている男性は、映画『スウィート・ノベンバー』を観るといいですよ」と言っていた。
取材によると、女性に対して尽くしすぎる男性は、悲しいかな下に見られるようになり、女性にとって”セクシーな存在”ではなくなる。結果、男女の関係がなくなっていく、という傾向が見えたのであった。
荻原さん曰く、「『スウィート・ノベンバー』には、女性が喜ぶ”尽しのツボ”がてんこもり!」だというのだ。
そこで、筆者(ちょっぴり心がささくれ立っているアラフォー独身女)が、「一生に、たった一度のラブ・ストーリー」(byプレス資料)とやらを鑑賞、「女のツボ」とは何なのかを解説する。
———————以下、超ネタバレ注意!!!!———————-
『スウィート・ノベンバー』は2001年公開の米映画で、主演はキアヌ・リーブスとシャーリーズ・セロン。公開から10年経った今でも熱いファンが多く、支持者は圧倒的に女性だという。確かに、ネットの映画評サイトを見ると、最近でも「号泣しました!」などの書き込みが多く、未だ人気の高さがうかがえる。
で、あらすじは、
一流広告代理店のエリート社員、ネルソン(キアヌ:ややこしいので、以下、キアヌ)は、仕事人間で感情に流されるのを恐れる鼻持ちならないヤツ。ひょんなことから知り合ったサラ(シャーリーズ・セロン:同様に、以下、シャーリーズ)に、「11月の1か月間だけ、私の恋人にしてあげる」と持ちかけられ、びっくり仰天。
最初は戸惑っていたキアヌだが、天真爛漫で自由に生きるサラによって真実の愛に目覚め、ついには求婚。だが、シャーリーズは不治の病に侵されており、遠からず死ぬので彼のプロポーズを受け入れられない。なので1か月で別れましょ、というお話でした。切ないですねえ……ファ~ア(あくびの音)。
ラズベリー賞を総ナメにしたというこの作品、ハーレクイン・ロマンスをまんま映画にしちゃいましたというような、実に女の妄想を刺激する作品であった。多動気味で映画が苦手な筆者も、「こんな女いるか!」「ありえへん!」とツッコミを入れつつ、なんだかんだで2時間釘付け。やはり女のツボを刺激する要素があるからだろう。
以下、この映画における「女のツボ」を3つにまとめてみた。
『ちつ☆トレ』
荻原かおる著 イカせたいならこれを読め! |
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