マツダ・アテンザのライバルはベンツ、BMW、アウディ
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
金融政策決定会合で、日銀が2%のインフレターゲットの決定と無期限の金融緩和を発表し、アベノミクスが一歩前進。自動車を含めた輸出産業にとって円安は歓迎すべきこと。今年は取り戻せる一年になるか!? 夢は膨らむばかりです。そんな上昇ムードが漂うなか、今回は国産自動車期待の星とドイツが生んだ欧州の優等生を比較してみました
MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=撮影 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆日本経済とマツダの将来に、トンネルの出口が見えました!
アベノミクスの始動により、円高が劇的に解消された! 自民党総裁選からこっちだけで、対ドルで約10円も円が安くなりました。これによって輸出産業は息を吹き返しております。TPPをやったって、アメリカの自動車関税なんかたったの2.5%。つまりこの円安は、TPPの4倍以上の効果があったってことですヨ! もうTPPなんて胡散臭いもんはいらんから、あと5円くらい円よ下がってくれ!
円安の恩恵を一番受けるのは、生産を海外移転せずに、一生懸命国内で生産し、海外に輸出していた企業です。ナンバー1は、ひょっとしてマツダじゃないか?
マツダは、ついこの間までの激烈な円高下でも、全生産台数の7割を国内(広島県と山口県)で生産し、その8割を輸出に振り向けていたという、国民栄誉賞モノの会社だ。トヨタも国内生産300万台を維持しててエライですが、トヨタの国内生産比率はせいぜい3割強。マツダとは根性が違う。すげえぞマツダ!
そんなマツダが、円安によってようやくトンネルの出口を見つけたことに、日本人として涙せずにはいられません。
そのマツダから、すばらしいクルマが出ました。アテンザです。ウリはカッコいいスタイルと、自慢のスカイアクティブエンジン。特にクリーンディーゼルだ。初期受注は目標の7倍と絶好調で、うちディーゼルが8割近くを占めている。
そんな新型アテンザに真っ先に注目したのは、実は輸入車ユーザーだったようだ。ワタクシが昨年末にマツダディーラーを訪れてみたところ、なんとベンツやBMW、アウディの客が、続々とアテンザを見に来ていると言うじゃないか! マジかよ!? マツダ車のライバルがベンツやビーエム! こんなことは史上初めて。これが快挙でなくて何だろう。
ということで次回は、アテンザのガチンコライバルとして、BMWのクリーンディーゼル「320d」を持ち込み、比較試乗をブチかまします。
― 日本経済とマツダの将来に、トンネルの出口が見えました!【1】 ―1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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