ペニオク業者の源流は、出会い系のシステム会社だった
昨年12月7日に「ワールドオークション」による詐欺行為が明るみになり、芸能界にまで波紋した「ペニーオークション」。その後にタレントのほしのあきや小森純、熊田曜子、ピース綾部などが、自身のブログで“やらせ広告”を掲載していたことが次々と判明し、様々なメディアで取り上げられたのは御存知の通り。そこで、複数の関係者に業者が“ぼろ儲け”できるペニオクの裏側を語ってもらった【後編】
⇒【中編】ペニオク業者激白!「芸能人ブログは広告効果が桁違いだった」https://nikkan-spa.jp/387424
◆たった2人で月2000万円
ペニオクのうまみを吸っていたのは芸能人だけではない。業者にとっても実にオイしい状況にあったようだ。ペニオクサイトを運営していたC氏が語る。
「3年前、出会い系サイトなどグレーな商材のシステムを売っているブローカーから話がありました。聞けば、出会い系サイトのシステムを作っていた会社とのこと。ダイヤルQ時代に一財産築いた人たちが出会い系サイトを始め、ライブチャット、情報商材、クリック詐欺、カード現金化サイトなどを経て辿りついたのがペニオクだったのです。ブローカーは資料を基に『詐欺ですが、オペレーターいらず、場所いらず。1人ぐらいアルバイトがいればできます。太客さえ捕まえれば、まだ始まったばかりだし、ライバルも少なく儲かりますよ』と説明。また『現状、ペニオクを取り締まる法律はないので始めるなら今ですよ!』とプッシュもされました」
C氏の言葉どおり、ペニオクにはシステム販売の販促資料が存在する。ここに掲載したのは、その資料(※)の一部である。資料には「一般ユーザーは落札できない」とは謳っていないが、ブローカーは「ロボットによる金額の吊り上げがオートメーション化されているので運営者側が損をすることはない」と口頭で言い、詐欺だと説明。ペニオクはこの資料を基に急加速した。
※資料はこちら⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=387507
「契約内容はレンタルとシステム買い取りの2種類がありました。前者は初期投資が20万円と少ないが、売り上げの10%をバックする。後者は初期投資に300万円ほどかかりましたが、売り上げは全て懐に入りました。たった2人で月に2000万円ほど儲かりました」
このツケを支払わされているのは、他でもない我々消費者なのだ。C氏は続ける。
「ブローカーからは『撒き餌として、最初はわざと安価な商品を落札させて信用させるのが肝。1回入札させれば、ギャンブルと同じで、高額商品を狙ってアホみたいにお金を使う人が大勢いる』と説明されました。また『アダルトサイトのクリック詐欺などに引っかかるネットリテラシーの低い人たちまで刈り取って、問題となるまで1~2年は持つ。それまで儲けてやめちゃえばいいじゃないですか!』などと言われました」
最盛期(’10年頃)には150ほどのペニオク業者が跋扈し、月にそれぞれ2000~3000万円の売り上げがあったという。
ブローカーのB氏も「業界では完全に詐欺という認識。真面目な会社がペニオクを運営しているなんて聞いたことがない」と断言した。
現在では騒動を受けて、10業者ほどに衰退したペニオク業界だが、それでも月500万円以上の売り上げがあるという。
「詐欺」との認識を持って運営している業者たち。その片棒を担いだ芸能人たちの罪も重い……。
<取材・文/高木瑞穂>
― ペニオク業者、ぼろ儲けのカラクリ全部バラす【3】 ―


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