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【G63AMG VS レンジローバー】ゴージャス無敵戦艦対決

民主党政権下に比べれば円安・株高が順調に進み、アベノミクスの効果が表れている昨今。我々のクルマ選びも変わる日が来るかもしれない。経済成長を知らない世代にはピンとこないが、あのバブル期のようなクルマ選びが、再び行われるかも。そんなアゲアゲの時代のクルマ選びを先取りしてみました! レンジローバー,G63AMGMJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=撮影 Photographs by Ikenohira Masanobu ◆クルマは数字がデカいほうがエラい!?  物心ついてから一度も経済成長を知らない諸君! 現在進行中のアベノミクスについて、「物価が上がるなんて怖い!」、「100円ショップも値上がりするの?」と、小鹿ちゃんのように震えていることだろう。が、心配はいらない。なぜなら、通常の経済成長下では、物価上昇よりも給料の上昇幅のほうが大きいからだ。つまり、国民全体が徐々に豊かになる。するとあら不思議、諸君らは常に「隣のアイツより格上のものが欲しい」と思うようになる。見えの張り合いというヤツだ。これがさらに経済を成長させて行く。そんなことがあるはずがないと思うかもしれないが本当だ。だって20年前までずっとそうだったんだから!  今回は、そんな経済成長下でのお作法を教えるので心して読むように。  クルマを見分ける方法はなにか。それは数字だ。メルセデスやBMWの場合、車名に数字が付いているので、その数字がデカいほうがエラいと知れ。よって、自分より格上のクルマが来たら、「負けた」と悔しがらねばならない。  数字はエンジンの排気量や馬力を表している。それがデカいほどエラいのだ。数字がデカいと値段も高い。そして燃費は悪い。つまり燃費が悪いほうが格上ということだ!  デフレ経済下ではすべてが逆だった。クルマの価値の半分くらいは燃費の良さで決まった。が、もうそんなケチくさい時代は終わる。諸君はよりデカい数字のついたクルマを目指せばいいのだ!
G63AMG

「G63AMG」お値段1780万円!544馬力!リッター5kmぐらい!

 こちらのG63AMG(赤いほう)は、V型8気筒5500ccのツインターボを積み、最高出力544馬力、お値段1780万円の超ド級SUVである。  が、油断してはいけない。隣にG65AMGが来るかもしれないから。63と65、数字は2しか違わないが、65はV型12気筒6000ccのツインターボで612馬力。値段はなんと3250万円! たった「2」の違いで値段が約2倍! 今回はそのエラいほうを借りようと思ったんだが、「空いてません」と言われた。無念である。  対する隣の超セレブっぽいSUVは、新型レンジローバーだ。エンジンは全車V8の5000cc。車名に数字はないが、リヤに小さく「スーパーチャージド」と書いてないほうが375馬力、書いてあるほうは510馬力。これもかなり違う。ただし値段は1230万円~1670万円と、AMGほどは違わない。安心だ。  乗った感じは、ともかく両方とも超ゴージャスな無敵戦艦。ひたすら平民どもを見下ろしつつ走る感じで大変気分がよろしいが、G63AMGは基本設計が34年前なので、アクセル全開くれると爆発的な加速と同時に微妙に左右に蛇行してビビる。乗り心地もガツンガツンと軍用車的だ(元が軍用車ですけど)。燃費は期待通り非常に悪く、試乗中の平均でリッター5kmだった。 ⇒【後編】経済成長下では速さこそがクルマのヒエラルキーを決定する!?
https://nikkan-spa.jp/388121
⇒G63AMGの【詳細写真】
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=388162
― アベノミクスが成功すれば車名の数字がデカいクルマがエラくなる!?【1】 ―
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