全長130m超!ロールケーキ世界記録樹立の瞬間に立ち会った
先日、目の前でギネス世界記録(TM)が樹立する瞬間に立ち会った。
「貝印 スイーツ甲子園」の開始記念として行われた、“世界一長いロールケーキ”への挑戦イベントである。挑戦するのは、パティシエの卵の高校生たち。過去大会参加者13068人にかけて、13068cm(130m68cm)のロールケーキを作るらしい。
130m……と言われてもいまいちピンとこないが、使用する卵は2500個以上、バターは約22kg、いちごは約600個だという。途方もない数字である。筆者は20数年生きてきたが、食べた卵が合計2500個に達しているか怪しいところだ(計算したところ、0歳児から食べ続けたとして月に7個以上は食べなければならない)。
会場に着くと、前日のうちに焼き上げた300枚以上のスポンジ生地と、午前中にホイップしたというクリーム約100kgを前に、緊張の面持ちの高校生たちが並んでいた。
⇒スポンジ作成風景 https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=425279
このスポンジにクリームを塗り、巻いて、繋ぎ目がわからないようにクリームで補強していくのだという。
⇒会場の様子はこちら https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=425266
なあんだ、塗いて巻くだけじゃない。と思うなかれ。約2時間に渡って作業を見守っていると、なかなかどうしてだんだん感情移入するのだ。この日は雨こそ降っていなかったが、強風。外で作成しているだけに、時折吹く突風で、軽いスポンジ生地はいとも簡単に吹き飛ばされてしまう。
突風の邪魔が入る中、ロールケーキの横を紺色の制服のギネス世界記録認定員が通りがかる。この手の挑戦モノでは、すでに完成品が用意されていたり、記録認定が決まっているデキレースだったり、といった感じなのかと思っていたのだが、どうもそうではないらしい。イベントとしてやっているとはいえ、しっかり一本に見えていること、繋ぎ目がわからないこと、といった基準に達していなければ、容赦なく失格になるという。
風にも負けず、認定員の発するプレッシャーにも負けず、黙々と作業をするパティシエの卵たち。右で風が吹けば慌ててスポンジを守りに走り、左でクリーム塗りの作業が滞っていたら、キャプテンと思しき高校生がチームをまとめる。開始1時間がたった頃には、筆者の心の中はちょっとしたスポーツ観戦気分になっていた。
“巻き”と“塗り”の作業が終われば、あとはいちごを乗せるだけ。完成に近づいてきた。待つこと10数分。130m68cmのロールケーキすべてにいちごが乗っかった。
ギネス世界記録認定員がすみずみまで厳しくチェックし、長さを測る。
そして……、「認定」を意味する白旗があげられた!
思った以上にウルッときたと同時に、一瞬でもデキレースを疑った自分を恥じたのだった。
⇒【動画】世界一長いロールケーキの横を走ってみた
(https://nikkan-spa.jp/425176)
<取材・文/朝井麻由美>
(https://nikkan-spa.jp/425176)
<取材・文/朝井麻由美>
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