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“持ってる男”ムネリン、イチローと感動の対面

川崎宗則,ムネリン,イチロー

CityNews TORONTOより

 ムネリンは、やっぱり「持ってる男」なのだろう。

 メジャー30球団で唯一、カナダに本拠地を置くトロント・ブルージェイズとマイナー契約を結んだ今季の川崎宗則。4月13日のメジャー昇格から全試合スタメン出場で結果を残してきた彼は今朝、イチローとの再会を果たした。敵チームながら、川崎は9番ショート、イチローは6番ライトで揃ってスタメン出場した。試合前のハグのシーンは実に微笑ましかった。

※早くも地元トロントで人気となっているムネリン動画 http://www.citynews.ca/2013/04/18/raw-video-blue-jay-kawasaki-shows-kathryn-humphreys-his-dance-moves/

 ムネリンが昨年、愛するイチローを追いかけて、福岡からシアトルへのいばら道を選択したのは誰もが知る話だ。春のオープン戦ではマイナーリーグの招待選手という「期待薄」の扱いながら、44打数20安打でオープン戦首位打者の成績を残し、「2階級特進」で開幕メジャーを勝ち取った。東京で行われたマリナーズの開幕25人メンバーに、イチロー、岩隈と共に選出され、凱旋帰国を果たしたシーンは記憶に新しい。

 イチローがヤンキースに移籍した7月末以降も、川崎は持ち前の明るさでチームを鼓舞し続けた。しかし限られた出場機会で成績を残すのは酷な話。61試合出場、打率.192、7打点で川崎のメジャー1年目のチャレンジは終わった。

 そして迎えた今オフ。川崎はある“改革”を断行した。

 大魔神・佐々木や憧れのイチローの契約をまとめた敏腕代理人を自らのエージェントに指名してきた川崎は、代理人を変更したのだ。言ってみればそれは、イチローからの「親離れ」とも言える大きな決断に映った。

 スポーツ総合エージェントとして名高いSFX社と新たに代理人契約を結んだ川崎は、今季の所属先に関しては彼らに一任し、本人はトレーニングに没頭してきた。代理人の尽力もあって、実はかなり早いタイミングで、今季のトロントとの契約は決まっていたのだが、各球団に割り当てられるビザ枠の問題などで、正式な発表と渡米は3月中旬までずれ込んだ。(「川崎宗則移籍先決定!イチロー愛は成就?」http://nikkan-spa.jp/389209)

 川崎の持ち味は、スピードと守備。メジャーの主流を占めるパワープレイの対局にある川崎のスタイルで、2年続けてマイナー契約からメジャーへ、しかも春先の早い時期に昇格を果たした川崎には、実力と共に「運」を感じる。

 今季の川崎のライバルは、ホセ・レイエス。WBCで優勝したドミニカを牽引した正遊撃手は、WBC大会のベストナインにも選ばれ、今やMLBを代表する名選手だ。レイエスとポジションが被ってしまう以上、川崎のメジャー昇格は厳しいかと思われていたが、そのレイエスが左足首を捻挫してしまったのだ。

 そこで白羽の矢が立ったのが川崎。春のキャンプも十分にこなせず、3Aで出場したゲームはわずか2試合(出場は14イニングのみ)。そんな川崎が、13日にメジャーに昇格し、わずか1週間の今日、新たなホームで憧れのイチローと対面を迎えたのだ。

 真摯な姿勢と明るい人柄は、移籍する先々でチームメイトに可愛がられ、愛されキャラとしてその存在感を示している川崎。幾多のホモ疑惑を笑って吹き飛ばす(しかも否定もしない!http://nikkan-spa.jp/248521)ムネリンのメジャー2年目の生き様には新しいタイプのアスリート像を感じる。

<取材・文/スポーツカルチャー研究所>
http://www.facebook.com/SportsCultureLab
海外スポーツに精通したライターによる、メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多様な魅力(=ダイバーシティ)を発信し、多様なライフスタイルを促進させる。日刊SPA!ではMLBの速報記事を中心に担当

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