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アベクロ効果で「儲かる/恩恵を受けない」違法ビジネス

アベノミクスが目に見える形で日本経済に期待感を漂わせるなか、違法ビジネスの業界には早くも大量の資金が流入している。今回はより非合法の色合いが濃い分野を見ていこう。 ◆明暗を分けた!? 儲かる業界と恩恵を受けない業界
改正暴対法

改正暴対法や暴排条例で、非合法ビジネスもやりにくい

 まず、最も激しく反応しているのが窃盗・盗品売買の業界だ。盗品ブローカーのY氏は言う。 「今は、家電量販店の下請けの家電設置業者から、高額家電の購入者リストというのが流れてくる。そのリストを見てると『消費が上がってるな!』というのが実感。50万円超の大型液晶テレビが週に何台も納入されている。これは“窃盗天国”の再来の予感がしました。いずれにせよ、購入後すぐに盗む隙があるのか内偵して、いけそうなら実行します。特に家電は購入直後は箱も家にあるし、最新モデルなら国内ルートで高く転売できる」  Y氏が「再来」というのは、5~6年前の「金属系・建築工具系」窃盗ブームのこと。アベノミクス効果の住宅需要増加で、建築現場に忍び込み、高額工具や重機を盗む窃盗も増えるという。 「都内のリサイクルショップが、スケープゴートを立てて盗品の買い取り専門の窓口を作ったとか、海外に流す盗難車両や重機のために『沈め屋(盗品の現金化専門業者)』が多摩地区に中古車輸出業者名義のヤードを建てたとか、規模の大きな話が結構、回ってきています。あと、詐欺グループが建築系のペーパーカンパニーを設立して、メーカーから資材を納入したところで『盗みに入ってくれないか』という取り込み詐欺の片棒を担ぐオファーも。まさに窃盗の“特需”が来ている」(Y氏) ◆影響を受けない業界も  一方、地下経済の代表格ともいえる薬物業界は、想像とは少し違った動きをしていた。 「覚せい剤は、いまやテンゴの3(0.5g/3万円)もおかしくない時代。’90年代末に北朝鮮ルートが崩壊し、その後の中国ルートを経て現在はアフリカや南米ルートが中心になってる。でもそっち方面は物流が細いから、品薄・低品質・高値傾向は変わらない。脱法ハーブは3月に包括規制(第9世代までを一気に規制)が始まる前から第10世代が出回ってて、価格は上昇中だよ。ただその理由はアベノミクスではなく、成分をしみこませるリーフ(植物)が品薄で、主に日本に流してる中国側が強気に出てるから」(都内のプッシャー・A氏)  だが、そんな横ばいの薬物業界でも、注目する点はあるという。 「円安で来日する外国人がすごく増えてるけど、彼らに対するドラッグ需要が結構ある。でも、六本木なんかは事件も多く、既存の外国人ルートからネタを引きづらい。そこで、観光地のホテル周辺やイベント会場で売る。これがかなり景気いいみたい」 ⇒【後編】へ続く https://nikkan-spa.jp/443685 ― アベクロ効果で[地下経済30兆円]の大復活【4】 ―
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