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東国原前知事去って、宮崎はどげんかせんでもよくなった!?

「宮崎をどげんかせんといかん!」

と立ち上がり、圧倒的不利な状況からまさかの知事選勝利を果たした東国原前宮崎県知事。しかし、在任中はワイドショーやテレビ引っ張りだこのフィーバーぶりとは裏腹に、口蹄疫パニックや国政転出の噂が絶えず、地元民からは冷ややかな目が向けられていたという。

「食と観光を柱にして、さらには企業誘致を宣言。この2本柱が成功していれば宮崎は九州で福岡を凌ぐことができたかもしれません。しかし、一時の東国原フィーバーでやってきた観光客もここ1~2年は急激に落ち込んでいました。もちろん企業誘致もままなりませんし、県民の間からは東国原前知事のワイドショー的手腕に呆れる声が漏れ始めていました」

と語るのは地元で中小企業向けのコンサルタントを営むAさんだ。

「そもそも宮崎は九州新幹線とは無縁。おまけに大動脈になるはずだった東九州自動車道の建設は部分的にしかできておらず、交通網が極端に貧弱。それに加えて観光の目玉であるシーガイアはシェラトンに売却されたものの、他のリゾートと比べるとゴルフ場くらいしか目玉はない。観光を売りに……と言っても、ここまで交通の便とインフラが悪ければ、リピート率は下がりますよ」

Aさんによれば一時的に観光客は増えたもののインフラ施設が充実されていないことで、リピート率は低く、ここ1~2年は観光業界は悲鳴をあげていたという。地元の観光業者は言う。

「最近のパワースポットブームで高千穂が人気ですが、高千穂は宿泊する場所も少なく、おまけに宮崎空港、市内からよりも熊本からの方が近いんです。もう、ここまでくると宮崎とは関係ないんですよ」

と踏んだり蹴ったりだとか。それに加えて昨年夏の口蹄疫パニックで大打撃を受け、食と観光という目玉は目つぶしを喰らった格好である。地元で飲食店グループを営むKさんに話を聞いた。

「昨年夏の口蹄疫パニックの時は役所から畜産農家まで、飲みに行くのも騒ぐのも自粛として、夜の宮崎市内は閑散としてしまいました。景気よくキャバクラなどでカネを落とすのは彼らのような畜産関係者や役所関係者が多かったですから」

口蹄疫、自粛、東国原ブームの終焉と宮崎には暗雲が立ちこめてしまったと地元民は口を揃える。しかし、幸か不幸か、東日本大震災後に事態は好転してゆく。まずは東国原前知事の東京都知事選への立候補によって誕生した河野俊嗣新知事の誕生である。さる代議士に近しい人物は言う。

「旧自治省出身で東さん(東国原前知事)と違って派手さはないが地方行政をしっかりわかっている。そして46歳という若い年齢も評判がよい。これまで振り回された感のある宮崎を落ち着かせてくれると期待されている」

これまでのワイドショー型の行政から実直な路線に変わり、県民からの支持も高いという。さらに追い風は吹く。ここ2ヶ月ほどの景気がすこぶる好調だというのだ。

「口蹄疫パニックで自粛さていた夜の遊びが実質的に解禁されたのです。畜産農家は先の一件で莫大な補償金を手にしました。そうしたカネが一気に回り始めたのです」(コンサルタントのAさん)

Aさんによれば、昨年は100軒近くのスナックが廃業したものの、今では復活を遂げて店の数も急激に増えているという。中には廃業手続きをして莫大な補償金をもらい、新規事業に参入する者まで現れたという。さらにさらに追い風は吹く。

「宮崎の米は全国的に見て、そんなに評価が高くないのですが、放射能汚染によって宮崎の早場米の買い付けが殺到したのです。おまけに今度は牛肉の汚染も明るみに出たので、宮崎牛にまたしても注目が集まり……。極めつけは観光客の増加です。放射能汚染やパワースポットブームで今年の夏はホテルの客数も増加したということです」

確かに昨年の夏に宮崎を訪れた時よりも、夜の街は人も多く活気づいていたのは肌感覚でもわかるくらいの賑わいであった。

細切れ状態の高速や進まぬ企業誘致など、問題はまだまだ多い宮崎だが、東国原前知事時代よりも“どげんかせんでもよくなった”ことは間違いがなさそうである。

高千穂峡

パワースポットブームで観光客が激増中の高千穂。だが、宿泊施設が極端に少ないことと宮崎空港、市内からのアクセスが最悪なためなかなか評価が上がらないのが実情


取材・文/テポドン




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