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日本導入前にベンツ「新型Sクラス」に乗ってみた

高級車の代名詞といえば、今も昔もメルセデス・ベンツ。とはいえ、保守層からの支持率は高いものの同じドイツのBMWやアウディに比べると洒落っ気が足りず、これまではどこか無骨な印象が強かった。そんななか登場した「新型Sクラス」はちょっと違う!? 今秋の日本導入前に、カナダでじっくり乗ってみました! メルセデス・ベンツ西村直人=文 Text by Nishimura Naoto ◆110年たっても世界中のセレブを虜にするクルマに乗ってみた!  メルセデス・ベンツの最上級モデル「Sクラス」のルーツとなる「Simplex 60hP」が発表されたのが、今から110年前。豪華なツーリングサルーンは瞬く間に世界中のセレブを虜にした。  初めて「Sクラス」の名前が付いたW116モデルシリーズ(1972-1978年)で、今でこそ当たり前のABSを世界で初めて量産車に搭載(1978年)。早くから安全装備にも力を入れていた伝統を引き継いだ「新型Sクラス」は、横長の大きなフロントグリルとともに、全長5.2m、全幅1.9mという堂々としたボディで、一見とっつきにくく威厳たっぷりなのだが、細部に注目してみると意外な発見がある。  ボディラインは流れるように丸く、テールライトには鮮やかなLEDがふんだんに散りばめられるなど、20~30歳代の新規オーナーが多い「Aクラス」、「CLAクラス」などに共通する最新のデザイントレンドが積極的に採り入れられている。  もっとも若返りばかりが図られたわけではなく、高級車としての素質も大きく飛躍している。その象徴がインテリアだ。  レザーとウッドで覆い尽くされたキャビンは、歴史ある欧州ホテルのような佇まいで、どことなく花の香りが漂っている、と思ったら「アクティブパフュームシステム」という香料分子を発散させる装置が組み込まれていた。  イイ香りは脳内にリラックス効果を高めるエンドルフィンやα波を発生させるため、同乗者だけでなくドライバーの疲労も軽減させるなど安全運転への貢献度も高い。  リアシートにも仕掛けがたっぷり。背もたれは43.5度もリクライニング。一世代前のビジネスクラスシート並みだ。しかも、ただ倒れるだけでなく、その状態で万が一事故に遭っても、身体がシートベルトの下を潜って前席にぶつからないよう、シート座面に内蔵されたエアバックが展開し、がっちりホールドしてくれる。また、その後席シートベルトにもエアバックが内蔵されていて、衝突時にはベルトが3倍に膨らみ衝撃を吸収するなど、考え得る最善の安全策がとられているのだ。 ⇒【後編】に続く https://nikkan-spa.jp/489872 『ベンツ「新型Sクラス」を超えるのは「ナイトライダー」の 「ナイト2000」ぐらい』 ― メルセデス・ベンツ「新型Sクラス」カナダ試乗記【1】 ―
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