普遍的デザインを目指さない「日産自動車の方針」に評論家も納得
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
日産自動車が世界中の自動車関係者を呼んで、日産が世界で販売中のクルマを紹介・試乗するイベント「NISSAN360」。SPA!も、場違いながら著名自動車ジャーナリストに交じって渡米。カリフォルニア州アーバインに行ってきました。ハリウッドにも立ち寄らず、試乗三昧の毎日でしたが、日本で走っていないクルマに囲まれて幸せでした!
MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
◆そのデザインはあり!? アメリカ西海岸で世界の日産車100台に乗って納得しました【後編】
⇒【前編】https://nikkan-spa.jp/520871 はコチラ
担当K:アメリカで僕が一番いいと思ったのは、インフィニティQX80です。
MJ:俺もだ。刺さったのはあのデザインだね。『もののけ姫』のタタリ神かと思ったよ。(※前編参照 https://nikkan-spa.jp/520871)
担当K:写真だけ見た段階では、こんなのありえない! と思いましたけど。
MJ:そう。日本で写真を見たら『正気か!?』って思う。ところがアメリカで見ると、これがちょうどいい刺激で、逆にもっとエグいデザインが見たくなる。
担当K:国産車も、アメリカ向けのデザインになってきてるじゃないですか。今のレガシィとか、出た時はありえないと思いましたけど、アメリカでは普通なんですね。
MJ:普通どころか地味な小型車だよ! プリウスもけっこう走ってるけど、一種のパラノイアに見えるね、草食すぎて。
担当K:こういう国でBMWとかに乗るのって、どうなんでしょう。
MJ:この大味な大地には、精緻すぎるドイツ車は似合わない。だからあんまり人気なかったけど、近年は売れてきてる。キャデラックとかアメ車のデザインも、すごくドイツ化してる。そんななか、日産がアメリカ向けに作ってるクルマは、“質の高い大味さ”というか、精密に作ったアメ車のイメージなんだよね。
担当K:タタリ神ですか。
MJ:ここに来るまでは俺も、そんなんじゃなく、アウディみたいに欧・米・中含め全世界で受け入れられる普遍的デザインを目指すべきだと思ってたけど、アメリカはアメリカ向け、中国は中国向けにデザインするという日産のやり方は、それとは真逆のチャレンジなんだと、見直さざるを得ないな~。
担当K:NYタクシー、あれ、ニューヨークに似合うんでしょうか。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=520913

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―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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