コンプレックスがある人ほど、他人のアピールを勘ぐってしまう
【検証】人はなぜウザいアピールをするのか?
「いつも忙しい俺」「人とは違う俺」など直球では恥ずかしい“本心”を“美徳”でもって遠回しにアピールするアラフォーたち。だが結局、本心は丸見えで、同僚・後輩世代にとっては不快なだけ。なぜこうも日本人はウザいアピールに走ってしまうのか。『「上から目線」の構造』などの著者があり心理学者の榎本博明氏は「遠回しなアピールは日本のムラ社会文化が背景にあるのでは」と分析する。
「農耕民族であり、長い歴史にわたってムラ社会を築いてきた日本人は争いを好まず、できるだけ横並びで平和な社会を望む傾向があります。『いかに自分自身が優れているか』と主張して周囲の和を乱すのは下品な行為。だからこそ、直接的ではなく、遠回しな言い方で自己アピールをしてしまうんです。ただ、誰しも自分を評価してもらいたいと思うのは、当然の人間心理です。だからこそ、日本人は遠回しな言い方をしてアピールすることで、他人からの評価を得ようとしてしまうんです」
さらに、数ある自己アピールのなかでも目立っているのが「自慢系」と「自虐系」の2種類。
「まず、遠回しな自慢をする人はなにかしらコンプレックスを持つ可能性が高いです。例えば、中年になると『昔の俺はすごかった』アピールする人が多いのは、老いていく自分の現状を受け入れられていないから。自信のなさから生まれる過剰なアピールが逆効果だということに気がつかず、過去の事柄を引き合いに出して自分を肯定しようとする。一方で、自虐的なアピールをする人は『他人に受け入れられたい』と思う人に多いんです。横並びのムラ社会では、優れた人は周囲の嫉妬で足を引っ張られがちなので、自虐的なアピールで相手に優越感を与え、敵をつくらないようにするんです」
しかし、他者のアピールを不快に感じるこの現象は、なにも発信側だけの責任ではないようだ。
「自分自身にコンプレックスがある人ほど、他人のアピールに対して『何か真意があるのでは』と勘ぐる傾向にある。素直な人だったら、他人からのアピールも『そうなんだね』と素直に受け入れ、スルーしてしまうでしょうから」
他人のアピールを「ウザい」と感じる人は、今より素直な視点を持つように心掛ければ人生はもっと生きやすくなるかもしれない。
【榎本博明氏】
MP人間科学研究所代表。産業能率大学兼任講師。著書に『「すみません」の国』『フランクルつらいときに力をくれる100の言葉』など多数
取材・文/福田フクスケ 藤村はるな 宮下浩純 イラスト/市橋俊介 ただりえこ 大ハシ正ヤ アンケート協力/アイオイクス
― 不快指数で逆格付け[人を不快にさせるアピール]【7】 ―
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『「上から目線」の構造』 なぜ「上から」なのか。なぜ「上から」が気になるのか。心理学的な見地から、そのメカニズムを徹底的に解剖する
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