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鉢呂発言を「万死に値する」とした伸晃よ、慎太郎発言はいいのか?

暴言批判を逆手にとったかのような最新刊『新・堕落論 我欲と天罰』(11年7月、新潮新書)

「死の町」「放射能つけた」発言でソッコー辞任に追い込まれた鉢呂前経産相。マスコミの大バッシングに加え、自民党の石原伸晃幹事長も「万死に値する」と批判した。でも、ちょっと待ってくださいな。これが「万死に値する」なら、一億回死んでも追いつかないぐらいの暴言を吐きまくってる政治家がいるんじゃない?

そう、石原伸晃氏の父、石原慎太郎都知事、その人である。いったいどれほどの暴言を吐いてきたか、ほんの一部だが振り返ってみよう。

まず記憶に新しいのは、あの「天罰」発言。震災発生からわずか3日後の3月14日に、「日本人のアイデンティティーは我欲。この津波をうまく利用して我欲を一回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」と言い放った。伸晃氏の言う「被災者を傷つけた」という点では、こっちのほうがはるかに破壊力あるだろう。

このときは選挙前だったため一応謝罪したが、障害者や同性愛者への差別発言も枚挙にいとまない。重度障害者の療育施設視察後の会見(99年)で「ああいう人ってのは人格あるのかね」と人間の尊厳を根本から否定。「テレビなんかにも同性愛者の連中が平気で出るでしょ。日本は野放図になり過ぎている」との発言の真意を問われれば、「(過去にサンフランシスコで)ゲイのパレードを見ましたけど、見てて本当に気の毒だと思った。男のペア、女のペアあるけど、どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」と解説(10年)。自らの偏見を包み隠さず言葉に出す素直さは、育ちの良さゆえか。

中国人や韓国人に対する差別&侮辱発言を挙げればキリがないが、ヨーロッパの国に対しても都知事は平等に差別&侮辱する。

「フランス語は数を勘定できない言葉だから、国際語として失格しているのも、むべなるかなという気もする」(04年)

これが首都大学東京の支援組織の設立総会の祝辞の中の発言だというのだから、やはり常人とはセンスが違う。芥川賞作家だけに日本語には誇りを持っているようで、「ジェンダーフリー」という言葉について「日本なんだから英語使うことねえんだよ、わけのわからない英語をね。(略)おじいさん、おばあさんはわからんよ、そんなものは。日本語でやってくれ、日本語で」(06年)とバッサリ。

一方で、いじめが原因の自殺予告について「こらえ性がないだけでなく、ファイティングスピリットがないと、一生どこへ行ってもいじめられるんじゃないの」(06年)、震災後の原発再稼働が困難な状況について「日本人ってのは、原子力に関しては非常に特異なセンチメントを持ってますからね、非常にトラウマ持ってますから。原爆で」など、言葉の端々にやたら横文字を織り込むのは、あふれる教養の賜物か。

ほかにも「ババア発言」「木っ端役人発言」「ざまあみろ発言」など、どう考えても鉢呂発言のはるか上をいく大暴言を連発しながら、さほどのバッシングも受けず、辞任もしないどころか、さらに五輪まで誘致しようというのだから、さすが鉢呂氏とは器が違うと言うしかない。

いくら「万死に値する」発言を繰り返してもビクともしない石原都知事。こんなタフなリーダーを戴く東京都民は幸せだなあ(棒読み)。

文/新保信長

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