細川氏、脱原発構想を語る。安倍政権と対立か
ジャーナリスト。『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
「脱原発」を公約の打ち出している細川護煕元首相。出馬会見で、脱原発の有識者会議「東京都エネルギー戦略会議」の設立を提唱していたが、いったいどういう構想なのだろうか? 1月31日に行われた記者会見後の質疑応答で、SPA!記者が細川氏に質問した。
「細川知事が誕生して『東京都エネルギー戦略会議』を立ち上げた場合、安倍政権の原発推進・再稼働に反対すると考えてよいのでしょうか? また、『大阪府市エネルギー戦略会議』をブレーンとして大飯原発再稼働に反対した橋下徹市長と、同じような役割を担うと考えてよいのでしょうか?」
細川氏はこう答えた。
「あくまでも仮称ですが、そういうことをモデルにしたいということを申し上げました。いま東京には、首都大学というのがあるのですね。ここは人材を含めてさまざまな分野の研究基盤が整っています。そういったところで、これからの自然エネルギー、あるいはエネルギーの効率化というものをはじめ、放射能の問題、廃炉の問題、いろいろな分野の研究者がたくさんいらっしゃいます。彼らにぜひ具体的なことをご協力いただきたいと思っています。
おそらく政府は4~5月には原発再稼働を決めるでしょう。もし私が知事に就任したら、ただちに『東京エネルギー戦略会議』を立ち上げ、具体的にどういうタイミングで、どういうことができるのか。東京都はどうすれば東電に原発ゼロの経営計画を出させることができるのかなど、具体的なことを詰めていきたいと思っています」
細川氏が提案した「東京エネルギー戦略会議」に政策的支援をするのは、古賀茂章氏(元経産官僚)や飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)など。彼らは橋下徹大阪市長らが設立し大飯原発の再稼働に反対した「大阪府市エネルギー戦略会議」のメンバーだ。さらには宇都宮健児氏との脱原発候補一本化を働きかけた「脱原発都知事を実現する会」の共同世話人で、今回は細川氏支援を表明した河合弘之弁護士も、かつて「大阪府市エネルギー戦略会議」のメンバーだった。
細川氏は街頭演説でも「柏崎刈羽原発や浜岡原発が事故を起こすと、東京に住めなくなることもある」と指摘。東京都は東電の大株主であり、最大の電力消費地。細川氏が都知事になれば、原発(再稼働)推進の安倍政権と対峙することになるのは間違いない。 <取材・文・撮影/横田 一>
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