ニュース

猪瀬氏失脚は東京都にとって福音だったのか?

アベノミクスの次なるフェーズは? 消費税増税で生活はどうなるのか? TPPは? 中韓との外交問題は……などなど、我が国は今年も多くの課題を抱えている。しかし、そんな大きなトピックの陰に隠れて、実は結構日本の首を真綿で絞めるような問題がある。あまり話題にならない、日本が抱える「2014年問題」を探った

◆腐っても「ジャーナリスト」だった猪瀬失脚は都政に影を落とす

猪瀬直樹氏

猪瀬直樹氏公式サイトより

 ’14年の日本はどうなるか。’13年に起きたいくつかのニュースが、その流れを作っていくのかもしれない。

 そんな話をしてくれたのはジャーナリストの武田徹氏。武田氏が初めに挙げてくれたのは、猪瀬直樹前東京都知事の辞任。

 武田氏は、「都政はむしろ悪くなる可能性がある」と危惧する。

「確かに猪瀬氏にはいろいろ問題があった。しかし、かつては分析力が自慢のジャーナリストで、だから小泉元首相が道路公団民営化に利用したんです。都政に関わってからも都営地下鉄の東京メトロとの合併や水道水のブランド化など面白いことを考えており、東京五輪についても、彼なりのロードマップを持っていたのかもしれない。次の都知事が国の意向に従うだけの人になったら、五輪は単に公共投資のバラ撒きに利用される可能性が高まる」

 不穏な流れを形成しそうな要素はそれだけではない。

「’13年12月に、海上自衛隊の護衛艦たちかぜで起きたいじめ自殺事件について、いじめの事実を示す調査文書が隠蔽されていることを内部告発した自衛官が、規律違反を理由に審理され懲戒処分を検討されていることが発覚しました。これはつまり、特定秘密保護法と対抗してバランスを取るべき存在の公益通報者保護法が反故にされているわけです」

 武田氏はこうした流れに反対するリベラル層の弱さについても懸念する。

「国家の行きすぎを止めるリベラル層の声が、イデオロギーに偏り過ぎている。実現困難な先鋭的主張をし、案の定、できませんでした、でも頑張ったと内輪で慰め合うだけでは、大衆層は取り込めない。このままでは新自由主義化の流れは止められないでしょう」

【武田徹氏】
ジャーナリスト・評論家。東京大学先端科学技術センター特任教授を経て、現在は恵泉女学園大人文学部教授。専門はメディア社会論、共同体論。『原発論議はなぜ不毛なのか』(中央公論新社)など著書多数

― 警告[2014年問題]が意外とヤバい!【3】 ―

原発論議はなぜ不毛なのか

イデオロギー的に偏らない視座で、原発論議の本質を捉え直す




おすすめ記事