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初夏の風物詩!?千葉ロッテ“挑発ポスター”10年の歩み

 10周年を迎えたプロ野球交流戦を中心に、ユーモアやウィットに富んだ表現で、今や初夏の風物詩となった千葉ロッテマリーンズの“挑発ポスター”。関係者の目にはどう映っているのだろう。

 挑発ポスター元年の’05年はチーム付き広報として日本一を経験した、千葉ロッテマリーンズ広報グループ・チーフの梶原紀章さんが、10年の歩みを振り返ってくれた。

「最初から選手受けは総じて良かったですよ。だから昨年(’13年)は思いきって、相手チームの中心選手をターゲットにしてみました。FA移籍した西岡剛(現阪神タイガース)に代わってショートに鈴木大地が定着したので、『大地がツヨシ』とかね。阪神戦の日には(西岡)ツヨシの目に留まるよう彼が歩く動線にポスターを貼りまくりました(笑)。そしたら後日ツヨシから『もっと過激に挑発してくれても良かったのに』って。挑発ポスターは、さじ加減が難しいですよね(苦笑)」

2013交流戦ポスター

2013交流戦ポスター

「個人的には昨年、巨人を倒して日本一になった楽天の優勝は、敵チームながら本当に嬉しかった。楽天とは縁があって、新球団初の公式戦(’05年)も、3.11直後の開幕戦(’11年)もうちが相手だったから、『球団設立2試合目に0対26の惨敗スタートしたあの楽天が、ついに日本一か』って。感慨もひとしおでした」

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3.11後の開幕戦ポスター

3.11後の開幕戦ポスター

 マリーンズOBの小宮山悟氏は、選手目線から斬新なアイディアを語ってくれた。「はじまった当初はフロント主導の企画だったから、我々(選手)はこの“挑発ポスター”の全容を伺い知ることができなかった。でも選手からみてもアリかナシかで言えば、断然アリ。今後は年毎にお題を決めて、選手やコピーライターが選者となって、ファンの公募作品を選んだら、さらに盛り上がると思うよ」

 スタンドのファンの声を聞くと、「インパクトが強かったのは劇画調の’08年のポスター」(千葉県・40代男性)、「今年の腹黒マーくんがかわいい!」(千葉県・30代女性)、「ラインのホーム画面にするくらい大好き!」(東京都・20代女性)と、幅広い層から受け入れられていたことが分かった。

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「コピーライターとしては、日本語の侘び寂び(わびさび)や心の機微を表現し続けたい。例えば今年のDeNA戦のポスターは、本当はもっと辛口に『見てほら!流れ星…と思ったら、あっという間に消えちゃったよ…。』くらい強気に書いても良かったのかも。コピーが甘かったせいか、ベイスターズに連敗しちゃったので、多少、悔いが残りました(苦笑)」と語るのは、千葉ロッテのポスターの生みの親、コピーライターの渡辺潤平氏

2014年交流戦ポスター

2014年交流戦ポスター

 ポスターの出来と、チームの成績は「緩やかにリンクしている」と語る渡辺さん。スポーツ新聞などで度々紹介される挑発ポスターを、マリーンズの選手たちは絶対に見ているはずだから、この仮説は正論と言えるだろう。

渡辺潤平さん

渡辺潤平さん

「’08年の開幕シリーズではポスターをTシャツ化して販売したんですが、春先のスタンドでTシャツは寒すぎたみたいで、あまり売れなかったんです(笑)。いつかまたTシャツ連動企画でリベンジして、ファンの皆さんと一緒にスタンド一面に挑発ポスターを増殖させたいですね!」(渡辺さん)

 斬新な切り口で、プロ野球界に彩りを添える渡辺さんの飽くなきチャレンジは、これからも千葉ロッテマリーンズの歴史と共に紡がれていく。

<取材・文/小島克典(スポカルラボ) 撮影/遠藤修哉(本誌)>




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