30歳にしてグラビアで大ブレイク、まさに世のアラサー女性の希望の星ともいえる存在の壇蜜。実は今回のドラマ化は、
『アラサーちゃん 無修正』第1巻の巻末で作者の峰なゆかと対談を果たした際、峰が「壇蜜さん主演で映像化を!」とラブコールを送ったことがきっかけになっている。夢が現実となった2人が、改めて「アラサーの胸の内」を語り合った。
◆特別対談「主演・壇蜜と原作者・峰なゆかがアラサーの胸の内を語る」
峰:私、基本的にマイナス思考なんで、
前回の対談(https://nikkan-spa.jp/418633)のころは『アラサーちゃん』がいつ連載打ち切りになるか毎週怯えてたんですよ。ドラマ化とかそんな大それたことを考える前に、“打ち切りになったら家賃が払えない、やベぇ、やベぇ……!”って。
壇:死活問題(笑)。でも峰先生って、結構精力的に“ジョブチェン”をされてるじゃないですか。
峰:確かにしてますね。でもやっぱり、今の仕事が一番向いてる気がします。AVに出てるときは、いつもすんごい体力を削がれながらやってたので。「家で漫画描いてるほうが向いてるわ」と思います。最初から商売として通用するとは考えてなかったですけど。
壇:なるほど。僭越ながら同じようにジョブチェンを繰り返してきた身として、そのあたりの心境をぜひお聞きしておきたくて。今のこの状況って、やっぱり目まぐるしいんですよ。もうちょっと時間がゆっくり過ぎてくれたらなぁ、と思ったり……。最近、立体駐車場のオーナーに憧れるんですよね。
峰:え? 立体……駐車場?(笑)
壇:不動産という安定した収入の魅力を考えると、これがラストジョブチェンじゃないなって思ってしまう。「元・壇蜜」として生きるのも手かなって。
峰:あ、でも私も、最終的な憧れの仕事は「無職」なんですよ。
壇:やっぱりそうなっちゃいますよね。人間、楽なほうにいっちゃいますよね。だから私、「仕事をしてる自分が大好き」とか言う人は、最近信用しないようにしてます。
峰:わー、よかった! 私の周りはみんな仕事好きだから、「仕事したくない」とか言うと「またまた」とか言われちゃうのがしんどくて……。漫画家になる前に無職の時期が3か月くらいあったんですけど、人生で一番イキイキしてましたよ。健康でツヤツヤ。朝7時に起きて、三食ご飯を作って食べ、あとはネトゲをする(笑)。
壇:三食ネトゲ付き(笑)。でも今は、無職の時代をそんなふうにしっかり言える人のほうが、「おかしみ」があったり、遊びがある人だなって思えるんです。
――それはアラサーという年齢にも関係がある?
壇:あると思います。なんか、男女平等を謳ってる世界が若干アホらしくなってくるのがアラサーの始まりかなって思ってきて(笑)。だって、頑張ってやろうとしてもかなわないことって絶対出てきますから。『だめんず・うぉ~か~』の倉田真由美さんがおっしゃってたんですよ。
「男性の幸せは高層マンションとヨットときれいな女でだいたい片付くでしょ」って(笑)。
峰:カネと女に集約されるという。
壇:でも、女性の幸せはそうじゃない。かたちが決まってないからこそ楽しいんだって。これにはすごく共感してます。
⇒【後編】に続く https://nikkan-spa.jp/682527
※TVドラマ「アラサーちゃん 無修正」は7月25日(金曜深夜0:52~/テレビ東京、テレビ大阪ほか)放送スタート http://www.tv-tokyo.co.jp/around30chan/
【壇蜜】
’80年生まれ。’10年に週刊SPA!でグラビアデビュー。’12年『私の奴隷になりなさい』で映画初主演。『アラサーちゃん 無修正』で地上波連続ドラマ初主演を果たした
【峰なゆか】
漫画家、ライター。女性のSEX観を的確に分析した作風が人気で、各誌で活躍中。週刊SPA!の連載をまとめた『
アラサーちゃん 無修正』はシリーズ累計26万部突破
取材・文/倉本さおり
― 美女がハマる『アラサーちゃん』大研究【1】 ―